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「な、何っ?」
人魚は驚き顔を上げる。そこには先程まで覗き込んでいたラウトの姿はなかった
もしかして、怒ったのかな?やっぱり声出さなくて正解だったな…
予定よりたくさん作れたし今日はもう帰ろう。怪我するのは嫌だしね
人魚は更に下に潜ろうと方向転換した
すると、ザブンッと何かが海に落ちる音が聞こえた
何が落ちたのか気になり振り返る
「…え?」
そこにいたのは右の腿から血を流すラウトの姿だった
脚を怪我したの…?まさかさっきの銃声って!
ラウトは脚を抑えながらなんとか上に上がろうとするも、人魚のいる海底の方へ沈む一方だった
人間は海で息が出来ないはず…あのままじゃっ!
でも…
ラウトを見ながら迷っていると、ラウトの腕の動きが段々弱くなってきていることに気づいた
「あーもう!」
やっぱり怖いからって僕には見殺しにするなんて無理だよ!
「人間を助けるのはこれが最初で最後なんだからね!」
人魚はそう言ってラウトの元まで泳ぐ
ラウトの前に回り込むと目はほとんど瞑っており、口からコポコポと泡が漏れていた
「助けてあげるから暴れないで大人しくしててよ?」
人魚はラウトの頬を両手で包むと口づけた
この者に一時(ひととき)の恵みを…
そして何秒か経った頃、唇を離した
「これで…息できるでしょ?」
いつの間にかパッチリと開いていた目を見て人魚はそう言った
ラ「え、ぐっ!ゲホゲホゲホッ……」
「息は出来るけど、喋ると
水が入ってくるから気をつけてね」
ラウトは咳き込みながら頷いた
「1個だけ質問するね。分からなかったら
何も反応しないで」
ラウトは頷く
「まだ上に貴方を撃った人はいるの?」
ズキン…
あれ…また胸が…何でだろう?それに、今のはムカムカもする…
ラウトは人魚の言葉に何も反応しなかった
「…分かった。とりあえずこれ巻かせてもらうね」
人魚はそう言って自分の腰に巻いてあった布を取るとラウトの腿に巻こうとするが、動揺しているのか布から脚を遠ざける
人魚はその行動にムッとする
「じっとして、怒るよ」
人魚がそう言うと、ラウトはピタリと止まった
「この先に崖があるの。そこの下に浜辺があるから
とりあえずそこに向かうよ」
ラウトは頷く
「動かないでよ?」
人魚はそう言ってラウトの背後に回り両脇を抱えた
ラウトは驚き振り向く
「貴方のペースで泳いでたら
いつになっても着かないから大人しくしてて」
人魚はそう言ってラウトを引っ張りながら泳ぎ始めた
体…結構かっちりしてるんだ……。背中も広い…
って、僕は何考えてんの!早く浅瀬に運ばないと!
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