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そういえば、そろそろ死海流(しかいりゅう)の時期だけど、ラウトは大丈夫かな?
人魚は座りながらそう思った
何年かに1度しか起こらないし、去年来たから大丈夫だとは思うけど……あー、やっぱり心配だな…
場所も動き方も大体一緒だし、行ってみよ。アレに巻き込まれたら人間は勿論、小さな魚達だって死んじゃう
人魚は岩から降りて泳ぎ出した
生きてられるのは、泳ぐのが早い魚か、大型魚類だけだし
まぁ、僕も気を抜かなければ大丈夫だけどさ
今昼だし、此処からなら休憩を挟んでも明日のこの時間には着けるね
どんなに早い船でも僕には劣るし、もし死海流の域に入るなら途中で追い抜けるでしょ
……約束破ったら許さないんだから
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
…僕の嫌な予感的中しちゃったかも。この水の濁り方、絶対来るよ…それに今回のはタチが悪いかも…
人魚の視線の先には大きなサメの群れがあった
僕は基本狙われないから大丈夫だろうけど、油断は出来ないし、あの群れの中に知り合いでも居たらな…
でも、僕にサメの友達なんていないし。いるのは珊瑚に住む小魚類とシャチとイルカとかだしな…
同種の間で僕のこと広めてくれてるらしいから1匹でも居てくれたら……
…あ、皆大体は群れで行動するから1匹はないか
とりあえず、此処をを通過するなら巻き込まれないように誘導しないと…
人魚がそう思いながら珊瑚の影で船が来ないか見ていた
そうこうしている内に、日が徐々に傾き始める
潮の流れが乱れてきた…。サメの数も最初より大分増えてるし、船から落ちたら即死だよ…
お願いだから、船に死海流について詳しい人が乗ってますように…
グイッ
「えっ?」
人魚は急に背が押されたことに驚き、振り返った
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