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18 sideラウト
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レ「ちょっ、ラウト!?」
ラウトは急に人魚と反対の方に走り出した。それとほぼ同時に歌が止まる
ラ「シュカー!」
ラウトの声にシュカを初めとする皆がハッとし、ラウトを見た
ラ「お前のお待ちかねの時間だ!好きに暴れな!」
シュ「っ!本当、待ちくたびれたよ船長っ!」
シュカは舵から手を離し、笑顔で2本の剣を抜く。そして、ラウトと入れ違うように甲板に飛び出して行った
ラウトはすかさず舵をとり始めると同時に辺りに剣のぶつかる音が響き渡った
ラウトは向かって来た敵を切り捨て、人魚の居た方を見る。しかし、そこに人魚の姿はなかった
何であいつ、俺の考えが分かったんだ…?
…いいや、それはまた後で考えよう。とりあえず今は死海流に飲まれねぇようにしねぇと
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
あれからまもなく決着がつき、敵船は沈み、戦いはアミースクの勝利となった。そして、死海流に飲まれることなく無事死海流の域から出ることが出来た
ラ「お前ら、さんきゅ。お前らのおかげで今回やっと
カミーラのヤツらを倒すことが出来た」
船員「今更っすよ船長ー」
シュ「そうそう。てかさ、俺めっちゃ驚いたんだけど!
まさか本当に人魚がいるなんて思わなかった!
しかも、超綺麗だし!アレで男とか反則でしょ」
船員「それに、なーんか船長と知り合いっぽかったし」
船員「そう!何かめっちゃ見つめ合ってたっすよね」
ラ「いや!見つめ合っては…」
「ラウトー。嘘はダメでしょ?」
皆がその声を聞いて一斉に振り返る
「僕の笑顔を見れるなんて貴重なんだけどー?」
ラ「お前っ!」
そこには船の手すりの部分に無表情で腰掛ける人魚がいた
「僕に助けられるの2回目だね、ラウト?」
船員「2回目ってことは…やっぱり知り合いなんすね!」
「まぁ会ったのはついこの間だけどね」
人魚はほぼ無表情のまま答えた
レ「ラウトの耳飾りはその時の?」
「当たり。綺麗でしょ?僕の手作りなんだ」
人魚は自分の耳飾りを触りながら言った
シュ「本当だ。ラウトと人魚さんの耳飾りが同じ」
ラウトは皆の間を縫って人魚に近寄る
ラ「お前何で此処にいるんだよ」
ラウトが声を抑えて人魚そう問うと人魚は淡々と答えた
「何でって海に住んでるから」
ラ「違う!何で船に居るんだってことだ!」
「んー。だって、僕が1度助けたのに
死ぬとか許せないし。それに許さないって言ったし」
人魚はそう言ってラウトの頬に手を当てた
「貴方に何かあったらって思ったら……だからかな?」
ラ「何って言ったんだ?」
ラウトには最初の部分が人間の言葉ではなかったため、何を言っているか分からなかった
「秘密」
そう言ってラウトの頬から手を離した
ラ「なぁ、聞いてもいいか?」
「何?」
ラ「何であの時俺の考えが分かったんだ?」
人魚はクスッと笑う
「秘密」
ラ「…じゃあ質問を変える。何であそこにいた?」
「最初の質問と似てるね。まぁいいか
死海流の時期だからちょっとした見回りしてたの
そしたら貴方の船が争いながら通るのが見えた」
ラ「だからって、武器もねぇのに船の上に
来るなんて危ねぇだろ」
「大丈夫だよ。いざとなったら友だちが助けてくれる
予定だったし」
ラ「友だち…?」
「呼んであげるよ」
人魚はそう言うと、腰にぶら下げていた貝殻を手に取り、口に咥えた
ピー…
……………
ラ「誰も来ないぞ?」
「せっかち。もう来るよ」
その言葉の通り、きゅうきゅうと鳴き声が聞こえてきた
船員「せ、船長!シャチの群れです!」
ラウトは身を乗り出して海を見る。そこには10頭くらいのシャチがいた
「あの子達が教えてくれたんだよ」
ラ「何をだ?」
「貴方が困ってるって。サメの群れの中に
あの子達が何頭か混ざってたの知ってた?」
ラウトは唖然としたまま人魚を見た
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