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時間は少し遡り、人魚がラウトの船が通るのを待っている時だ
背を押されたことに驚き振り向くと、そこには若いオスのシャチがいた
「君…1匹なの?」
きゅうきゅう
人魚はシャチの後ろに視線を向ける
「本当だ。君の仲間が向こうにたくさんいるね」
きゅう
……そうだ、この群れの数ならいけるかもしれない…!
「ねぇ、ちょっとお願いがあるんだけど…」
きゅう?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「こんな感じで代わりにあの子達に貴方の様子を
探ってもらったの。一応僕もサメの捕食対象だからね」
まぁこの子達も対象ではない訳では無いから申し訳ないけどね。あとでもう1回お礼言わなきゃ
人魚はシャチ達からラウトに視線を移す
「何変な顔してるの?」
目を点にしちゃって、面白い顔
ラ「変って…やっぱりお前ってすげぇなって
感心してただけだ」
感心するとそんな顔になるんだ
ありがとな?と言って頬を撫でるラウトの手に人魚はドキリとする
それと同時に、顔が熱くなっていくのがわかった
ど、どうしよ!バレる前に誤魔化さなきゃ!
「っ………お礼は?」
ラ「あ?」
人魚はフイっと顔を背ける
「2回も助けてあげたのにお礼もないの?」
図々しくでごめんなさい!別に本当に欲しいわけじゃないんだよ!
ラ「あ」
「何か思いついたの?」
ラ「名前でどうだ?」
「え?」
な、まえ…?
ラ「お前、名前がねぇんだろ?」
「まぁ…貴方がつけてくれるの?」
本当に…?
ラ「ああ。んで、カイルってのはどうだ?」
「カイル…?」
ラ「カイルのカイは俺の故郷で海って意味で、
ルはパールのルだ
俺の中では海の真珠って意味になってる」
カイル…海の真珠……どうしよう、凄く嬉しい
ラ「気に入らなかったか…?」
無言の人魚を見てラウトは不安げな顔をしながら声をかけた
どうしよう、素直に嬉しいなんて言えないよ…でも、嬉しいってこと伝えたいし…そうだ!
カ「…ううん、気に入った。ありがとう」
カイルは自分の気持ちを全部乗せて思い切り笑った
ちゃんと上手く笑えたかな?
その笑顔にラウトをはじめとした皆が、またも目を奪われていることを知らないカイルは、不安とドキドキで一杯だった
ラ「なぁ、カイル」
カ「何?」
自分を引き寄せ抱き上げるラウトに驚く
カ「わっ!?」
急に何っ!?え、何これ?何でラウトは僕を抱き上げてるの!?
シュ「今度は何かな?」
レ「突拍子もない事なのは分かるけどね」
ラ「お前、俺の嫁になれよ」
カ「ええっ!?」
全員「はぁっ!?」
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