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28 sideラウト
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レイリスは港まで蜂蜜酒が入った袋を、ラウトもそれが入った箱を抱え、戻った
ラ「レイ、あそこにいるのミレントじゃね?」
船に向かって歩いていると、シュカと並んで立つミレントの姿が見えた
レ「そういえば、渡す物があるとか何とか言ってたね
さっき渡せばいいのに、何で今なんだろ?」
ラ「知らねぇ。けど、何かしら理由があって
やってんだろ。意味のねぇ事をする奴じゃねぇしな?」
何かさっき考えてたし
レ「うん、そうだね」
今一瞬……まぁ、気のせいだよな?
2人がそう話していると、シュカがおかえりーと言って手をヒラヒラと振った
ラ「ああ、今帰った」
レ「それでミレント、渡すものって何かな?」
ミ「これ…」
ミレントはそう言って1つの包を差し出した
レ「俺にかな?」
ミ「勿論。開けてみて」
レイリスはミレントに促され、包を開けた。するとその中には折り畳まれた紙、懐中時計、ペンダントが入っていた
ミ「この前、父さんと母さんの出来ていなかった部分の
遺品整理してね…。そしたら、僕宛ての手紙と
兄ちゃん宛の手紙、ロケットになってるペンダントが
2つ出てきたの」
レ「……そう。ロケットには何が入ってたのかな?」
ミ「2つとも家族写真。だから、1つは兄ちゃんに
…兄ちゃん?」
ラ「レイ?」
固まるレイリスをおかしく思い、ラウトは声をかけた
レ「っ…分かった。じゃあ手紙は後で読むね」
さっきから様子がおかしい…一体どうしたんだ?
ミ「今見れない?」
レ「え、今?……何か変なことでも書いてあった?」
ミ「兄ちゃんのは見てないけど、僕宛てのはもう見た
内容は…見ればわかる。そんなに長くないと思うし」
レイリスは折り畳まれている手紙を開いた
レ「……………」
真剣な顔で手紙を読み進めるレイリスをラウト達は黙って見ていた。やがて、手紙を読み終えたレイリスは顔を上げ、視線をミレントに向けた
ミ「父さんも母さんもバカだよね」
苦笑しながら呟くようにそう言ったミレント、レイリスは手紙を握り潰した
レ「…本当だよ。2人して何考えてんだか…」
ラ「何て書いてあったか聞くことは出来るか?」
レ「…大丈夫だよ。簡単に言うとミレントも連れて行け、
1人にさせるなってさ」
シュ「わーお。これまたビックリな内容だなー」
ミ「本当だよ。僕も自分宛の手紙読んで、
最初は何かの見間違えだと思ったし」
あはは…と苦笑いするミレント
レイリスは手紙を無造作にズボンのポッケにしまうと、お前はどうしたい?と切り出した
ミ「僕は…蜂蜜酒を作りたい」
ミレントは一瞬躊躇ったがハッキリとそう答えた
レ「なら、今まで通りじゃん?ミレントは陸で、
俺は海でやりたい事をやる。それだけだ
それに、あの2人は既に死んでるからはっきり言って
従うかどうかは俺らの勝手。でしょ?」
レイリスの言葉は少し刺があるような言い方だった。しかし、でも!っとミレントが叫んだ
ミ「でも、兄ちゃんとまた暫く会えないんでしょ?
それはもう嫌だよ…やっぱり、寂しいよ…」
レ「…ミレント。俺はいくら可愛い弟の為だとしても
俺はあいつらが嫌いだからあの家に帰る気は無いよ」
ミ「……そっか。そうだよね。ごめん、変な事言った
気にしないで」
レ「お前とお前の作った蜂蜜酒は大好きだよ
だからまた此処に戻ってはくる。それまで元気でね」
レイリスはそう言ってミレントの頭に手を置いた
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