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32 sideラウト
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ラ「ちょっ!おい、動くな!
せっかく縫い合わせた傷が開いちまう!」
ラウトがその体をベットに押さえつけるが、人魚は抵抗する力を弱めなかった
ラ「俺らはお前に絶対危害を加えねぇ!
血も肉も鱗も必要ねぇ!この発言にこの船に乗る
俺を含めた全船員の命をかけてやる!」
ラウトの言葉が届いたのかビクリと震え、一瞬だが抵抗力が弱まった
ラ「間違ってでも命を簡単にかけたと思うなよ?
もう1回言う。俺らは絶対にお前に危害を加えねぇ
加えられたと思ったらその場でそいつを殺して構わない
勿論、俺だった場合もな」
ラウトは人魚から1秒たりとも目を逸らさずにそう告げた
人魚は怯えながらもラウトに目を向け、じっと見つめた
ラ「お前に言った言葉に嘘偽りは微塵もねぇよ
だから、大人しくしてくれ
あいつと同じ種族のお前を、俺は死なせたくねぇんだ」
「…お、なじ…?」
とても小さな声だったが、人魚は確実にそう言った
ラ「そうだ同じだ。俺はお前とは別の人魚を知ってる
この船の全船員もそいつのことを知ってる」
勿論、そこに居るハイドラもな、とラウトは続けた
ラウトは振り返りハイドラを見る。つられて人魚もハイドラを見た
ハイドラはニコリと笑い、もう大丈夫だよ、と一言だけ言った
ラ「俺らはお前の敵じゃねぇ。むしろ味方だ
それは空と海がひっくり返ったとしても変わんねぇよ」
「ほ、んと…に…?」
ラ「ああ。保証する」
ラウトがそう言い切った数秒後、人魚はくしゃりと顔を歪め、嗚咽を漏らした
「う、うぅ…ひっく…」
ラウトは押さえつけていた手を離し、振り返った
ラ「落ち着いたら呼びに来い
その時、俺の他にレイとシュカにも声をかけろ」
ハ「分かりました」
ラウトは医務室を出て甲板に向かった
甲板出ると、そこには船員が人魚の容態を気にする船員達が、ラウトの帰りを今か今かと待っていた
そしてラウトの姿を見た瞬間、皆が人魚の様子を尋ねた
ラウトが無事だと言うと、皆は一斉にホッと安心した顔をしながら胸をなでおろしていた
ラ「アイツが回復するまでこの船で匿うことにする
その間、お前らには普段やらない事を
頼むことがあるかもしれないが、協力してくれ」
ラウトがそう言うと、全員が勿論だと言って頷いた
レ「とりあえず、この島からは離れよ
それで此処から1番近い、大きな街がある島に向かって
色々調達する必要があると思うからさ」
ラ「そうだな」
そんなに頻繁に陸に降りるのは、面倒くせぇ奴らに足がついて気が引けるが、今回は仕方がねぇか
そうして、アミークス海賊団は物資調達のために大きな街のある近くの島へと向かって行った
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