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あの後、ラウトとカイルは海図の部屋に戻り、レイリスと共に
目的の場所までのルートを話し合った
到着までの時間を聞き、カイルが泳いで行く、と言ったがラウトは断固拒否した
ラ「カイルとまた離れんのは無理」
ずっとその一点張りだ
カ「我儘を言わないでよ。さっきも言ったように、
テティスの状態は良くないままなんだよ?
欠損部分を長時間放置してたら治らなくなるんだよ?
適切な処置をしてくれてるからまだ望みはあるけど
それでも、確率は現状低いんだからね?」
ラ「到着まで半日しか変わらねぇじゃねぇか。それなら、」
レ「往生際が悪いよ、ラウト」
ラ「けどよ…」
カ「わかった。じゃあこうしよう
目的付近までは船で行って、そこから泳いで先に行く
それならどう?」
ラ「てか、目的の物が此処の何処にあるんだよ」
ラウトはそう言って海図を指さした。そこには付近に島も何も無い海のど真ん中だった
カ「地形が変わってなければ海溝に埋まっているはず」
ラウトは海溝と聞いて渋い顔をしていたが、はぁ…とため息をついてカイルを見た
ラ「わかった。お前の提案に乗る。だが、1つ条件追加だ」
カ「条件?」
ラ「互いに何かあった時の連絡手段を作りたい」
連絡手段か…
カ「イルカ達みたいに超音波使える訳でもないし、
どうやるの?」
ラ「わからん」
分からんって…
カ「何も考えてないのに条件を提示したの?」
ラ「考え無しの条件はすまないと思ってる。けど俺は
お前には目の届くとこにいて欲しいって思ってるんだ
だが、今回は有事だろ?だからせめてそういう手段を
お前が知ってればと思ったんだ」
俺はそんな手段考えたことないし…とバツが悪そうにラウトはポリポリと頭をかいた
と言っても…僕も考えたことないからなぁ…
カ「僕も知らないなぁ…何かあったかな…?」
ラ「ちなみにだけど、 前にお前がシャチを呼んだ笛は
ダメなのか?」
カ「アレはシャチ達専用だから、別に笛を作る必要があるね
まぁ材料があれば直ぐにできるけど、
ラウト達が水中から吹いたこの笛の音が聞こえるかなぁ…?」
すると、今まで黙って聴いていたレイリスが口を開いた
レ「連絡手段はあった方がいいのは確かだけど、
今回はカイル君を信じて待つしか出来なさそうだね」
カ「…うん、僕もそう思う」
作れはするけど、材料が絶対見つかるとは言いきれないし…。それに、今回はタイムリミットがあるからね
カイルは無言のラウトを見た
カ「心配かけちゃうけど、信じて欲しいな」
ラウトは腕を組んで無言でカイルを見つめていたが、やがて、はぁ…とまた大きなため息をついた
ラ「仕方ねぇな…待ってるから必ず戻って来いよ?」
カ「もちろん。何のために人間になる方法を
聞いてきたと思ってんのさ」
そう言ってニヤッと笑うカイルをラウトは抱きしめる
ラ「俺のため?」
っ!…その顔、反則だよ…
カ「…分かってるじゃん」
その様子をレイリスは、やれやれと微笑ましそうに笑いながら見ていた
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