アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
58
-
カイルが海面から顔を出すと、ラウトの声が叫び聞こえた
ラ「カイル!大丈夫か!」
カ「へーき。鮫もこの通り真っ二つだよ」
そう言って手に持っていた鮫を掲げた
ラウトはカイルの言葉を聞きほっとした顔を見せた
カ「それでさ、ラウト達は鮫って食べるの?」
ラ「小型のは食ったことあるが…」
カ「じゃあ、美味しくなかったら捨てて
食料はいくらあっても困らないでしょ?」
ラウトはカイルの言葉に、そうだな、と頷き船員達に1番頑丈なロープを持って来るように指示した
そして、1人の船員がラウトの隣に現れ、持っていた太いロープを海に落とす
カイルはそれを手に取り、尾ヒレの方にぐるぐると巻き付けた
カ「持ち上げてー!」
それを聞いたラウトの合図とともに、ロープが引かれた
男達の声とともに真っ二つ切り裂かれた鮫はどんどん船の上へと持ち上がっていく
改めて見ると大きいなぁ…
よし、僕も早く上がろ。テティスに力使わせちゃったし…
緊急時だったとはいえ…油断したなぁ…
そういえば…詠唱長ったらしいから改良しようとしてたの忘れてた
やっぱり、詠唱の代わりになるキーワードを結びつけておかなきゃ何かあった時対応する余裕なくなるなぁ…
テティスと共鳴した後に考えよ
カイルはそう考えながら船をよじ登り、海から上がった
そして、魔女に教わった通りに言葉を唱え人間の姿に変わる
もう一度顔を上げると、カイルに手を伸ばすラウトの姿があった
ラ「早く来いよ」
カ「今行くよ」
カイルはよじ登り、腕を伸ばしラウトの手を掴んだ
ラウトはカイルの手を握ったことを確認し、引き上げる
ラ「鮫に追われてる姿を見た時は肝が冷えたぞ」
そう言いながらワンピースをカイルに手渡した
カ「久々だったから油断してた」
カイルは甲板に立ち、それを受け取って袖を通した
そして、辺りを見回す
いた
カ「ハイドラさん、テティスをこっちに運んで」
ハイドラはカイルの声を聞き、顔を向けた
そして、分かったと頷いて、テティスに何か声をかけたあと抱き上げてカイルの方に歩き出した
近くでテティスの状態を見たカイルは、テティスの目にかかっていた前髪をながして謝った
カ「ごめん、テティス。負担かけた」
テ「これくらい大丈夫。ただ、共鳴はあんまり出来ないかも」
カ「それなら心配ないよ。さっきのサポートのおかげで、
いつもより力があるからさ」
テ「それなら、あとは本当に私次第だね」
カ「そういうことになるかな」
カイルはハイドラに目を向けて甲板の中央にテティスを降ろすように言った
よし、始めようか
カ「それじゃあ皆、端に寄って」
そう指示したカイルは取ってきた鉱石をテティスの周りを囲うように置いていった
そして、何重もの円が完成する。1つ目の円には鉱石が3つ、2つ目は4つ、5つ、6つと個数を増やしながら5重の円を功績で作った
よし、こんなもんでしょ
テティスに目を向けると顔色が悪かった
僕のせいで悪化させちゃったか…これは何がなんでも治さなきゃダメだね
カ「準備は出来たけど、始めて大丈夫?」
テ「いつでも」
テティスは弱々しい声だったが目はしっかりとカイルを見つめていた
カイルは頷き、テティスの方に向かい、傍に座って手を差し出した
テティスは差し出された手を握る
そして、2人ほぼ同時に目を瞑った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
62 / 67