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62 sideラウト
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遠くからえっ!?と驚く声が聞こえてきた
男の声ではなかったのでテティスだとすぐに分かった
レ「テティスちゃんなんか驚いてるみたいだけど、
どーしたんだろうね?」
ラ「さぁ、俺にもわからん」
けど俺には、驚いていると言うより、少し怯えてるように見えるがな
カイルはそんな様子のテティスを前に淡々と何かを話しているようだが、内容までは聞こえねぇな…
まぁ、必要ならアイツから言ってくるだろうし、わざわざ聞く必要ねぇな
ラウトはそんなことを思いながら、レイリスと今後の航路について話を進めた
ラ「で、どーするよ航海士さん」
レ「とりあえず、この前のカミーラとの戦利品もあるし、
高値で売っぱらって酒と肉を買いに行く予定
それに、カイル君の下着と服も買うんでしょ?」
ラ「そうだな。それなら、この島が妥当か?」
レ「そうなるね。でも、最近この島の市場で悪い噂を
よく聞くんだよねぇ
最近と言っても前に港に入った時だから、
少なくとも2ヶ月は経ってるけど…」
ラ「んー…まぁ、大丈夫だろ
買い出しはいつも通り分担でやって、
待機組の方にカイルを入れてりゃ大きな問題は
早々起きねぇだろうし」
ラウトの言葉にレイリスは、そうだね、と頷き大きな市場がある島の港に船を入れることを決めた
レ「じゃあ俺はシュカと話してくるから」
レイリスはそう言って、先に持ち場に戻ったシュカの元に向かってう為、その場を立ち去った
一方ラウトはまだ話し込んでいるカイル達を見て、近くに待機していたオスカーに、2人の話が終わったら呼ぶように伝え、自分は船内に向かった
行先は医務室だった
扉の前まで来ると、いつも通り入るぞと言って、中からの返事を待たずにドアを開けた
ハ「船長?どうした?」
ラ「いーや?ただ、色恋沙汰に興味ない鈍感ハイドラさんは
今どんな気持ちなのか気になってな」
ラウトの言葉を聞いたハイドラは、目をぱちぱちと瞬きさせた後、ニヤリと口角を吊り上げた
ハ「さぁ?どうでしょうねぇ?」
そんなハイドラを見て、ラウトはやれやれと呆れた顔をしながら肩を竦めた
ラ「こんな奴を好きになっちまったあの子が可哀想だな」
ハ「俺は自分の大切なものは愛でる主義ですよ?」
ラ「テティスがお前の本性知った時、どんな反応するのか
楽しみだよ」
ハ「確かに。あれだけ表情がコロコロ変わる子だから
きっといい表情するだろうなぁ」
ラ「皮肉のつもりだったんだがな」
ハ「俺には効果ないですよ、船長」
にっこり笑うハイドラにラウトは、はぁ…と溜息をつき頭を抱えた
ラ「まぁ、いいや。やり過ぎんなよ?」
ハ「もちろん。逃がすつもりなんてないからな
まぁ、海に逃げられた時は話は変わってくるけど」
相変わらず恐ろしい奴…
ハイドラの黒い笑みを見てそう思っていると、ドアをノックする音が聞こえた
オ「船長いるっすか?オスカーです。呼びに来ましたよー」
ラ「ああ。今行く。先に戻ってろ」
オ「了解っす」
足音が徐々に遠ざかって行った
ラ「話はそれだけだ。お前も一旦甲板に戻ってこい」
ハ「了解、船長」
なんでこうも俺の仲間は変な奴ばかりなんだ…まぁ、飽きねぇからいいけどよ
ラウトはそんなことを思いながら医務室を後にして、甲板に向かった
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