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ラブレター
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「…つ、鶴見…!?」
しまった。
自習室って選択が間違っていた。
そもそもあの後すぐに学校に入ったのが間違いだった。
鶴見が自習室に入ろうと扉を開けた時、目の前に扉に手をかけようとしたようなポーズをした委員会が、びっくり顔で立っていた。
そうだよ、こいつが早く来てすることなんか勉強しかねぇだろ…何考えてんだ俺は…。
風紀委員長の早川松成は、一言で言えば真面目人間だ。
制服は第一ボタンまで止める。
ネクタイは一番上まであげる。
髪は短い黒髪に黒縁のメガネ。
飾り気は一切ない、少しツンツンしたつややかな髪が、彼の清楚で純粋な印象をより強調している。
「き、今日は早いんだな…いつも予鈴ギリギリなのに…」
「たまたま…な。…んじゃ俺寝るから」
面倒ごとになる前に、逃げなくては。
そう本能的に感じた鶴見は、そそくさと自習室に入り椅子に座る。
「あっ、鶴見、これ…」
カサ、と軽い音を立てて、一枚の紙が鶴見の前に差し出される。
「………委員長、あのさぁ」
「…3組の水橋さんからだ。…なぜ俺に頼んだのかは、分からないが…返事も欲しいと言っていた」
俺そういう趣味ないんだけど、と言いかけたところで、早川が早口でラブレターを渡すことになった経緯を説明する。
ちょっとまて
「……え、…は?」
「だから、水橋由岐さんからだ。同じクラスの人で友達なのが俺しかいないと言って…渡してくれと頼まれた。」
受け取り手紙を開くと、明らかに女子のものである可愛い文字で鶴見への想いが綴られていた。
「……え、待って…え?だってお前さっき、下駄箱で…」
「…やっぱり見られてたか…こういう役目ははじめてで、雰囲気とか大事にした方がいいのかと悩んでな…下駄箱に突っ込んでもよかったんだけど…」
「な、なんだよぉおおお!!!!!!!!紛らわしいことすんじゃねーよぉおお!!!!!!!!」
自分の盛大な勘違いが恥ずかしくなり、早川の肩をガクガクと揺する。
「だっ、しょ、しょうがないだろ!ラブレターなんて、渡すのは初めてだし…緊張して当然だろ!」
「お前が書いたラブレターじゃねーだろーがよぉ!!!!!!!!」
どっかズレた早川の羞恥心にツッコミを入れ、はぁと大きいため息をついた。
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