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刹那の過去
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刹那『僕が小さい頃…ある素敵な夫婦の間に産まれたんだ。
毎日幸せだった。
でもある日母と2人でいえでまっていると、病院から電話がきたの。
ーーはあなたの旦那様で間違いないでしょうかって。
二人で急いで向かうと事故で即死だったって教えてもらった。
その事で母さんはショックを受けて…
僕と父さんに関する記憶が一切無かった。
母さんが覚えているのは自分の元々の家族だけ。僕の事は覚えていないけど、近寄ったらパニックと過呼吸を起こして…優しかった母さんに拒絶されて…。
このまま母のところにいたらストレスを与えてしまうからって、父方の伯母に引き取ってもらったんだけど……
父はなくなったのにどうして僕の世話をしないといけないんだって。
様々な虐待を受けてて、母方の叔父さんが定期的に気にかけてくれていた時に、虐待に気付いて僕をいち早く引き取ってくれたんだ。
でもそれからは詩輝さんも充希さんも僕を可愛がってくれているから幸せだよ。』
俺は刹那が話している間、静かに聞いていた。
こんな俺より、遥かに辛いだろう。
永遠『一つ、聞いていいか?』
刹那『うん。』
永遠『今、刹那の母さんは…?』
刹那『実家で暮らしているよ。』
永遠『そうか…。』
刹那『重たい話でごめんなさい…でも、永遠君の話が聞けて嬉しいよ。』
永遠『…紗夢を思い出した時、お前から逃げた。刹那とは違うって分かってたのに。
…でもさ、また刹那のそばに居たいんだ。』
目を見てはっきり言われた時は焦った。
刹那『っでも、また思い出させたり不快な思いさせるよ…。』
涙が溢れそうになるのを堪えてギリっと噛み締める。
そんな刹那に触れようとしたが、悲しそうな顔をして手を下ろした。
永遠『…俺が我儘なのはわかってる。
でも刹那と居たい、付き合ってほしい。
俺がお前にひどい事言ったのは、お前を襲おうとしたやつに腹が立って…ってのは言い訳だよな。
あの時は刹那に対する気持ちが何かわからなかったけど、今ならわかる。
お前が好きなんだ…。』
永遠君は冗談を言うような人ではない。
だから嘘ではないとわかる。
でもどうして僕なんかにそう言ってくれるの…?
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