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とっさにジューンの首筋に歯を食い込ませる。
"うっ"という呻き声がしてから雪崩れるようにルナに身体が覆い被さった。
「はぁ、はぁ、」
すぐ隣にあるジューンの顔を覗いた。
(寝てる)
痛みで正気に戻ると思っていたのに、寝るなんて思ってもなかったルナは動揺を隠せない。
取り敢えず上に乗っているジューンをどうにかずらし、身体を起こして、ベッドから後ずさる。
(ベッドを綺麗にして、ジューン様を布団の中にいれないとっ。)
ルナはジューンを軽蔑するなんて気はさらさら無く、とにかく起きた時にこの事を思い出させないようにする事しか頭に無かった。
起こさないように身体を仰向けに倒して、その上に布団を被せる。
一定のリズムを刻んている寝息で、深い睡眠を取っているのがわかる。
ふと、ジューンの肩を見るとさっきルナが噛み付いた所に血が滲んでいる。
思っていたより深い傷なのかもしれない。
どうすればいいのかわからず、気づかない様に静かに舐めた。
ペロペロと何分間か舐めていると血は出てこなくなり、それを確かめるとルナは振り向く事無く部屋から出た。
廊下にある時計を見て今が4時半という事がわかる。
そのまま走り続けて姉との約束を破り、庭に出た。
「カイっ」
小屋が見えた時、無意識にそう声が出た。
その声に気がついてルナが入る前にひょいとカイが中から出てきた。
その顔にぶつかるように飛びつく。
いつもと様子が違うことに気づいたカイがクーン、と喉を鳴らす。
「、ぅ、う」
我慢しても抑えきれない嗚咽が漏れる。
(ルナ?大丈夫か?)
「カイ…今日はここで寝てもいい?」
(…もちろん)
何も聞かないカイ
すごく落ち着く。
泣き疲れて寝たルナを守るようにカイ隣で寄り添うように眠りに着いた。
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