アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
14
-
いつもより早く目が覚めたシノ
ベッドの上にある時計をみるとまだ5時30分だ。
辺りはまだ薄暗く、頭がぼーっとする。
カサカサと音がしてキナコがククっ、と鳴いた。
ルナがキナコの為に木で作った箱が気に入った様で、いつも寝る時はそこに入る。
ぴょん、と跳ねてシノの顔の側まで来て頬ずりする。
シノには何と言っているのかは具体的にはわからないが、多分朝の挨拶をしているのだろう。
「おはよう、キナコ」
"んー"と背伸びをしてベッドから降り、靴を履く。
普段ならそのままカイのところに行くが、その前にルナを起こして誘おうと思った。
キナコがシノの上着のポケットに入る。
「お前も来るのか?」
それに答えるようにキナコの小さな耳がピョコピョコ動いた。
部屋の前まで来るといつもルナの姉から"ノックしなさい"と言われるのを思い出して小さくコンコン、と2回ドアを叩いた。
返事はない。
どうやらまだまだ起きなさそうだ。
ドアを開けて入ると薄暗くてよく見えない。
凝らして見るとルナのベッドが空なのがわかった。
(こんな朝早くにどこへ?)
少し考えた後で、多分カイの所だろうと推測したシノは急いで庭に出た。
小屋が見えて中に入ると、カイに寄り添うようにルナが寝ている。
(良かった)
安堵して側に腰を下ろす。
顔を覗きこむと、少し目が腫れている気がする。
そして僅かにルナからは絶対に香らないはずの匂いがした。
ジューンが好んで飲む、あのコーヒーの匂いが…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 55