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"先に帰らせていただきます"そう言って屋敷の中に入って行ったセシルの後ろ姿を見送る。
(何があったんだろうね…)
気になりつつもどちらかがジューン自身に話してくるまで待とうと決めた。
ただ、もう時間かない。
早く花嫁を決めろ、と周りから急かされている。
少し考えてから自分の室へ向かった。
一生懸命鳴いていたあの鳥はすでにそこにはいなかった。
* * *
「ルナっ」
戻る途中にシノと一緒にいるルナを見つけた。
ジューンの声に驚きこちらを見たが、すぐにそらされてしまう。
「シノとどこへ行ってたんだい?」
「…、えっと、」
言葉を濁すルナ。
答えたく無いんだろうか。
「今から俺の室に行くんだ」
困っているルナに気づいたのか代わりにシノがそう答える。
「そうか。その紙袋は?」
シノが持ってる紙袋をみる。
確か町で人気の服屋の袋だ。
「な、なんでもないです」
いつもより小さくなって答える。
まるで、初めて会った時のようだ。
最近はだいぶ懐いてくれていたと思ったのに…
「じゃぁ、」
シノを連れてルナが去っていく。
いつもは会ったらまるで太陽が輝くように笑ってくれるというのに…
どうしたんだろうか
「あ、ジューンさまっ」
間もなくして娘たちがジューンを見つけて駆け寄ってくる。
ガヤガヤ騒ぎだしたので"仕事が残っているから"と言って部屋に戻った。
「はぁ」
自分がルナに何かしたんだろうか…
いや、憶えがない。
それともさっきのは気のせい?
…それも違う。
もんもんと考えるのは好きでは無いので、今日は早いがもう寝る事にした。
ベッドからルナの匂いがする。
そんなはずがないのにと思いつつも側にいるようで良く眠れた。
だが今日は全くそれがなく、眠れないまま夜が更けていった。
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