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「ルナ、おいで」
両手を開いて優しくジューンが笑う。
「そういう事は…姉さんとしかしちゃいけないんですよ?」
「なに?」
「お嫁さんとしかだめなんです」
泣きそうなのを見られないようにベッドからたって猫じゃらしを突つく。
わかっている。
ジューンが言っているのは子猫にする様な抱っこだ。
それを変な風に取ってバカだろうとジューンは思うだろう。
「ルナ」
ジューンも立ち上がりルナと向かい合わせにさせる。
「…どうして泣くんだい?」
ルナの赤くなった目がしらにそっと触れる。
ふるふると頭を振るルナ。
「…姉さんを幸せにしてください…本当はとっても優しい人なんです。」
「ルナ、さっきからセシルがなんだ?関係無いだろう今は」
「ぁ、そうですよね…立ち入った事言ってごめんなさい」
「そうじゃなくて…君は何か勘違いしていないかい?」
「してな、です。姉さんと結婚するん、でしょ、う?」
嗚咽が出てきて上手く喋れない。
落ち着かせるようにジューンが、かがんで背中をさすってくる。
ふいに抱きしめられた。
「ジューン、さま?」
いまはジューンの顔が見えない。
どんな表情をしているのかもわからない。
「や、やぁ」
「私は」
「ぼ、ほくルナですっ。セシル姉さんじゃないですっ!ぅ、もう身代わりはや、だぁ」
どうにかして腕の中から逃れようと暴れるルナを絶対に離すまいとジューン力を込める。
"身代わり"という意味がわからずジューンはルナが泣き終るまで何も言わずにただ抱きしめた。
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