アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
45
-
「カイに酷いことって?」
何もしらないシノが不思議そうに聞いて来る。
あの事はカイもシノには伝えて欲しく無いようだったし、
「なんでもないです」
と言ったらそうか、と屋敷に入って行った。
ジューンと2人になり、見上げると優しく頭を撫でられる。
「ご飯は食べたかい?」
その言葉を聞いてまだ何も口にしていない事を思い出した。
けれど全くお腹は減っていない。
「食欲がないです」
いつも朝食は欠かさず食べていたのに食欲が湧いてこない。
心配そうにするジューンに、昼食は食べますと元気良く答えた。
「あ、」
ジューンが何かを見つけたように視線をルナの上の方に持っていく。
それをたどるように見ると屋敷の玄関の上に白い鳥がぴよぴよ鳴いていた。
「チロルっ」
おはよう、おはよう、と繰り返すチロルに挨拶をし、ここへ降りて来るように言う。
手をのばして乗りやすいように水平に保つがなかなか降りてこない。
「どうしたの?」
その質問には答えずに向かいの木に飛んで行ってしまった。
気分屋なのだ。
「あの鳥…」
「どうしたんですか?」
「いや、チロルというのか」
「はい」
ジューンも見た事がありそうだ。
ということはこの辺に巣を作っているのかも。
すると玄関からエマ出てきた。
今日は町へ出かけると言っていたので少しいつもよりお洒落をしてる。
長いスカートに胸元には珍しい石のペンダントが光っている。
「ルナ、昨日は大丈夫だったの?」
あの時、そばにいなかったエマは誰から聞いたのかルナが体調を崩したのを知っていた。
そういえばさっきからまた胃がムカムカしてきたのだけれど心配をかけないように笑顔で
「大丈夫」と答えた。
「そう?顔色が悪いけど」
エマが顔をペタペタ触る。
だんだん青くなっていくルナの手をジューンが掴む。
「うぅ、」
昨日と同じ吐き気が突然した。
どうして…
さっきまでなんともなかったのに…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 55