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キナコといろいろ話し合ってちょっとは落ち着いたかと思う。
ちゃんとジューンと話し会うのを決めた。
ジューンはルナにしたいようにすればいい、言ったがやはりこれは2人の問題だ。
キナコがシノの部屋に帰るというのでドアを開けてあげる。
廊下をぴょんぴょん跳ねて行くキナコを見送り、ドアを閉めようとした時だった。
向こうの方から若い女の声が聞こえる。
それだけなら何も思うところはないのだが、どうやら喋り相手がジューンのようだ。
楽しそうな笑い声が廊下に響く。
この頃はルナが暗かったせいでジューンのあんな楽しそうな声を聞いていなかった。
(ぼくといるよりずっと楽しそう)
はっとジューンが産んで欲しくない理由が頭に浮かんだ。
きっとそうだ。
ドアの隙間から覗いているルナに気づいたジューンは使用人に一声かけ、こちらに駆け寄ってきた。
ジューンはそっとルナの腰に手を当て、2人で部屋の中に入りルナをベッドに座らせた。
ジューンもその隣に腰を下ろす。
「ルナ、決めたのかい?」
返事しだいでは今から医者の所へ行かなくてはいけない。
ここから何時間か掛かるので急いで馬車を用意しなくてはいけないのだ。
「…ジューンさまはどうしてぼくに産んでほしくないんですか?」
「それは」
「ぼくと結婚した事、後悔していますか?子供がいると逃げれなくなるから?」
「ルナっ」
「帰りたいっ!もう嫌だ…ぅ」
わー、とベッドに顔を埋め、泣き出したルナにどうすればいいのかわからず側で慌てているジューン。
「ルナ、私は…」
ジューンが何かを言いたそうにするが全く耳を傾けない。
何分かそうした後に顔を上げたルナは涙で顔が濡れていた。
「…決めました」
ジューンの顔をまともに見ようとしない事にジューンは不安を感じる。
「…村に帰って赤ちゃんを産みます。もう二度とジューン様にお会いしません。」
「どうして…」
「だからジューン様、は、何も気にしなくていいんです。…ぅ、ぼくなんかより可愛い女の人を」
「ルナ!!」
強く肩を掴まれ、ジューンと目が合う。
ジューンの顔は今にも泣き出しそうなくらいゆがんでいた。
(どうしてそんな顔をするの?ジューンさまがわからない。)
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