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マーシャがやってきた。
その登場は凄まじいもので、ルナは肝を抜かれた。
「ジューーーーンっっ」
隣にいたルナを押しのけてジューンに抱きつく。
ジューンは困ったな、という顔をしながらもとっても嬉しそう。
「マーシャ、綺麗になったな」
と、ルナにするように頬を撫でる。
他の人にそうするのを見たことがなかったルナは、少し気が落ちた。
「ありがとう!ねっねっ。結婚しただなんて嘘よねっ!」
さっきとは打って変わり、必死な顔をしている。
ドキっと胸が高鳴り、ルナもジューンの答えを待つ。
「本当だよ私はルナと結婚したんだ」
ルナの腕をそっと掴み、ジューンの隣へ戻す。
「…男?」
「そうだ」
「ふーん」
ジロジロとルナを見る。
その目がルナの悪い所を探しているようで怖くなりジューンの裾をキュっと掴んだ。
「可愛いーー!!弟にしたいわっ」
嫌味を言われるだろうと思っていたルナはまた驚かされる。
ベタベタ触ってきて、尻尾を掴んできた。
「にゃっっ」
乱暴につかまれて少し痛い。
「『にゃっっ』だって!可愛いー!」
はしゃぐマーシャを見て想像していてより悪い人ではなさそうだと思う。
ただ、少しとっつきにくい。
ガチャ、とシノが部屋に入って来たのと同時にマーシャがそちらへ走って行き、ジューンにしたように飛びつく。
「可愛いだろう。でもどんどん綺麗になっていく」
「…はい」
素直に頷けなかった。
当たり前だけど、ルナはジューンに綺麗だなんて言われた事が無い。
いつも可愛い、とは言われるがそれも子供にいうそれのようだ。
ジューンもシノとマーシャの方へ行き楽しそうに話している。
その中に入る勇気もなく、部屋の隅でぽつんと立つ。
(2人ともマーシャさんが大好きなんだ)
時々ジューンがマーシャの頭を撫でる度に湧く嫌な気持ちに気づかないふりをした。
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