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マーシャのその言葉に一気に身体が凍りついたように動かなる。
真剣な眼差しでジューンの手を握っていた。
「マーシャ、」
「少しずつでいいの。でも女として見れない?」
大きな瞳にめいいっぱい涙をためてうるんでいる。
ジューンがため息を漏らしたのとルナが起き上がったのはほとんど同時だった。
「だめですっジューンさまはぼくの旦那様です!」
起きているとは思っていなかったらしく、いきなり大声がしたのでジューンは驚いている。
「ルナ、いつから…」
「ぼく、ジューン様の事大好きです。他のどんなことでもマーシャさんには劣りますけど、これ気持ちだけは負けません」
「…っ」
マーシャは悔しそうに唇を歪めてルナを見る。
ジューンの肩越しに見えるマーシャの顔色は俯いていたのでわからないが、多分悲しんでいるんだと思う。
そのまま顔を上げずに部屋から飛び出して行った。
マーシャはジューンの事が好きだから自分が気に入らなかったんだと悟る。
いつからジューンの事が好きだったんだろうか。
もしかしたら小さい頃からかもしれない。
そう思うとこっちまで辛くなってくるが、これだけは譲れない。
この人だけは…
「ぼく、どんどん嫌なやつになっていく」
「どうしてだい?」
「だって…もしジューン様がマーシャさんの事を好きになったら、なんて考えると…早く帰ってほしいなぁなんて思うんです…」
"ね?悪い子でしょう?"と見上げるとジューンがそっとルナを包み込む。
「ジューンさま?」
「本当にお前は可愛いね」
「えぇっ?」
ふふ、とわらいながらジューンはこぼれそうになっているルナの涙を拭う。
「私は毎日自分の弟に嫉妬しているよ。自分よりずっとルナの側にいるんだからね」
「ほんとうに?」
「本当」
ルナは嬉しそうに笑みを零した。
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