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いつもの日常・・・?
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俺、月神レイは小さい頃からの夢がある。
「くそっ…オレは…ここで倒れるわけには…いかないんだぁぁぁああ!!」
小学生の頃、一人で留守番していたときたまたま点けていたテレビから聞こえてきたヒーローの声…。俺はその声に心を打たれた。学校で流行っていたヒーローアニメ。みんなは見た目がかっこいいと言っていた。だけど俺は、その中の人の[声]に魅力を感じた。
…上野煌。俺が惹かれた声の持ち主。彼は人気がある。もう、デビューから16年経っている。見た目は高校生に見える。アラフォーなのに元気に走り回ってみんなに元気と勇気を与えてくれる。俺が彼に惹かれたのは、声だけではない。彼は、どんな時も笑顔で振るまう。辛い時も笑顔で乗り越えてしまう。
…俺もこんな人になりたい。上野煌のような声優になりたい…。そう思った。
そして、高3。俺はこの年、行動を起こす…。
――――。
「レーーーイーー」
朝から騒々しいこの声は
「朝からうるせぇよ…龍」
小さいころからずっと一緒にいる親友の大御龍之介だ。
「なぁなぁ、昨日の見た!?お前の大好きな上野の今期のアニメ!」
「あぁ、もちろん。…てか、上野 じゃなくて、上野様!!だろ!!?それか、こうたんだ!」
「あー、はいはい。上野様上野様。んで、どうだった?」
「どうもなにも!!最高だろ!!…てか、何だよあいつ!!」
「…?あいつって?」
「あいつはあいつだよ!!大神龍輝ってやつだよ!」
そう。今期アニメで俺の好きなこうたんが主人公をやっている。それは嬉しいんだが…
「何だあの敵キャラ!!おれのこうたn…じゃなかった!!レインを侮辱しやがって!!」
あぁ、言い忘れてた。こうたんは今期のアニメ【俺様☆ファンタスティック】の主人公【レイン】を演じている。そのレインに向かって大神演じる【サクト】は暴言を吐きやがったんだ!アニメ内のことだから仕方ないけど、俺は大神龍輝に心底ムカついた。
「ま、まぁまぁ…大神龍輝?だっけ?あいつだって、好きで上野煌を侮辱したわけじゃないんだしさw」
「そうだけどぉ…」
なんか納得できぬ…。
「あ、そうだ!レイ、オーディションいいの見つけた??」
「…まだ。」
オーディション。俺は今年声優のオーディションを受ける…。だけど、なかなか見つけるのが難しい…。
「だよなぁ…。」
__キーンコーンカーンコーン__
「やべぇ!!急げレイ!!予鈴だ!」
「はぁ…間に合った…」
「俺のおかげだな♪」
そう…こいつは、俺を軽々背負ってダッシュした…。
「まぁ、レイレイはちびやからなぁ♪」
「…うるさい駄犬。」
この関西弁野郎は高1の時からの腐れ縁の犬飼大和だ。
「またまた、レイレイ…照れちゃって~」
「あ”?」
「レイレイの声で威圧されても全然怖ないわぁ~wむせぇ、可愛いだけやで♡」
「確かに、レイは可愛いもんなぁ~」
「な!?龍まで何なんだよ!」
…そう。声優になりたい俺は決してイケボではない。むしろカワボなのだ。
「まぁまぁwいいじゃん?それ、レイの強みでしょ?」
…流石、龍は俺のことはお見通しのようだ。というか…
「おい、駄犬。お前はいつまで変な顔しているんだ!」
「かわええ顔してレイレイは冷たいなぁ~w」
「レイはツンデレだからね~」
「龍まで…」
__キーンコーンカーンコーン__
本鈴が鳴った。
「おーい、HR始めるぞ~。席につけ~。」
HRが終わり、授業が始まった。一時間目は国語だ。俺の大好きな教科だ♪
「は~い、今日は教科書から離れて、童話を読んでもらう。みんなには、その物語から作者は何を伝えたいかを読み取ってもらおうと思う。誰か読みたい人はいるか?」
スッ
俺は真っ先に手を挙げる。
「おー。また月神と大御かぁ?他にいないのか?」
シーン
「んじゃ、2人で分けて読め。最初は、月神からよろしく」
「はい。―――遠い遠い海の底に、人魚のお城がありました。お城には王様と6人の人魚姫が住んでいました。この世界では、人魚姫は15歳になると海から出て人間の世界に行くことができるようになります。――――」
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