アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
弟が気になりだしたのは、夏になりかけの、少し汗ばむ日だったのを未だに覚えている。
その日は、タラリと流れる汗が気に食わなくて、いつもよりイライラしていた。
そんな中、家に帰っている途中で前を歩く弟を見かけた。その近くには、弟の同級生と思われる身体が弟より大きい複数の男子。
なんだ?
そう思った瞬間、近くにいた同級生達は弟のランドセルを思い切り蹴飛ばす。
バランスを崩した弟は、大きな声を上げて前に転んだ。
それを見てゲラゲラ笑い、小さく縮こまった弟をいい事に、同級生達は弟の事を蹴り続ける。
俺はそれを黙って見ていた。
未だに蹴っている同級生達の後ろを通り過ぎようとした時、弟の助けて欲しいという目が自分に向いている事が分かった。
──その時の俺は、イライラしていた。
同級生のボスらしき奴の隣を通り過ぎようとした時、不意打ちで俺はソイツの顔面を思い切り横から殴った。
俺の方が一個上だったこともあり、身体はソイツより大きかった。当たり前に、力は充分に俺の方があった。
一発殴っただけでソイツは凄い勢いで後ろに倒れ込み、突然殴ってきた俺を涙目で見てくる。
同じように弟を蹴っていた奴らは、呆然と俺と殴られて倒れたボスを見ていた。
俺がゆっくりとソイツらに目を向けると、ソイツらは『ひっ!』と声を出し、ボスを置いて走って逃げた。
ボスは泣きべそかきながらその場から立ち上がり、自分を置いて逃げていったソイツらを追いかけていく。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 32