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家に帰り、リビングに入ると両親は俺達二人をソファーに座るように言ってきた。
怒られるような事をしたか、と不思議に思いながら、ビビっている弟を先に座らせて、その隣に俺は座った。
だけど、俺の予想は外れる。
両親は俺達二人に、正確には俺に目を向けて申し訳なさそうに口を開いた。
「あのね、お母さん達、明日から二日間だけ仕事で家にいられないの。…本当は子供を置いていきたくないんだけど……、二日間だけお留守番、出来る?」
「うん、二日間位なら俺達は大丈夫」
「そう。良かったわ。ご飯は一応作っていくけれど、足りなかったら冷凍庫に冷凍食品を入れておくからそれを食べてね」
「分かった」
「偉い子ね。……じゃあ、今日もテストあったんでしょう?お母さん達に見せて?」
「うん。……あ、コイツはテスト今日無かったって」
俺は弟を指さした。母親は、弟に『そうなの?』と既に怒りそうな顔で聞く。弟は、泣きそうな声で『うん』と小さく返事をした。
「じゃあ、もう部屋に戻りなさい」
母親に冷たくそう言われ、弟は頷くとランドセルをカチャカチャと鳴らしながら走ってリビングから出ていった。
弟の膝の怪我は、もう治っていた。
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