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優哉 が好き。
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あの後、少し...じゃなくて結構な時間寝てしまって、起きた頃には腰の痛みはほんの少しだけ治まっていた。
意識がしっかりとしてくると、鼻を掠める甘い匂いがした。
「...せ、ぱい...?」
「あ、起きた?おはよ。」
そう言ってぽんぽんと俺の頭を撫でる。
まるで、子供をあやしているみたいでとても心地がいい。寝てしまいそう。
「これ、食べれる?簡易なんだけどさ...ホットケーキ。甘いもの大丈夫だっけ?」
「あ、はい...おいしそうですね...。」
俺は、甘いものはそんなに得意ではない。
けど、先輩のなら食べれるような気がして...。
「はい、あーん。」
「ん...」
もきゅもきゅという効果音がつきそうな程口に頬張る。甘いはちみつの匂いが鼻腔を掠め、ホットケーキのあのふわふわ感が幸せを満たす。その全てが、俺の脳を支配した。
「ど、おいしい?」
言葉にできない代わりに、ぶんぶんと縦に頭を振る。
「そっか、よかった。また作ってあげる。」
「ほんと、です...げほっ、こほっ...。」
食べてる最中に、声を出したから飲みきれなかった全てが一気にいに流し込まれ、むせ返ってしまった。鼻がツン、と痛くなる。
「ちょ、大丈夫?」
一定のリズムで先輩が俺の背中をポンポンと叩く。
「だ、じょ...ぶです!」
一応、そういうものの...喉奥が痛い。
異物感が凄い。
「あ、先輩...あ、あーん...。」
「へ?」
先輩が口をポカンと開けて、俺を目に映し間抜けな声をあげる。そんな姿も綺麗だって思う俺は多分可笑しいんだ。
半ば無理矢理に先輩の口にホットケーキを押し付けると、重力に抗えなかった黄色い蜜が先輩の口から顎に伝い、ぽとりと先輩の手に零れ落ちる。
「あ...陽。舐めて?」
その目は、自分のした事は自分で片付けるんだよと言っているみたいだった。
「は、い...。」
ちろ、と控えめに舌を出して先輩の手の甲に這わす。先輩が甘いのか蜜が甘いのか。後者だけど、俺にはわかんない。
「うん、可愛い。」
サラッ、とそんなことを言える先輩はとても凄いって思う。それもカッコイイからいいんだけど...。
「先輩、今度一緒にケーキ作りましょうね。先輩か俺の誕生日ケーキ!」
「ん、そういや誕生日...」
「5月...16日...。」
「俺は、5月16日。覚えててね?」
「はい!」
そう、元気よく発すると先輩が俺の唇を吸ったりなめたりしてきて、擽ったかった。
「陽は?」
「3月21日です」
「あ、卒業式近くだね。まずは、陽の誕生日ケーキな。」
「甘いヤツがいい...です。」
「ん、一緒に作ろうな。苺かな〜。」
「い、ちご...!」
「好き?」
先輩がこてんと、首を傾げる。
「好きですけど...俺、誕生日プレゼントは...先輩がいい、です...。我侭ですか...?」
「...っ、我侭じゃないよ。もっと我侭いってよ。俺なんかでいいの?」
「先輩がいいんです!」
そう言って、先輩を押し倒して...ちゅ、と唇が触れ合うくらいのキスを落とす。
「シテいい?」
「...」
コクン、と頷く。
それが開始の合図。
俺と、先輩の...愛をつくる合図。
先輩こそ、俺でいいんですか?俺なんかでいいんですか?男ですよ。子供もできない、結婚もできない。先輩の汚点になりませんか?大丈夫ですか?
俺は、不安です。
___
「せん、ぱぃ...ぁ...そこ...やぁ...。」
「気持ちいい?」
先輩は、壊れ物にでも触れるような手つきで優しく俺を扱う。
情事が始まる中でも、俺の頭は...不安でいっぱいだった。もう少し、可愛くしないと...とか、声出さないと嫌われちゃうかな、とか...。
「き、もちぃです...はぁ...ん...っ。」
「...陽?」
「な、ですか...?」
「無理に声出してない?」
「出してないで、すよ...。」
「俺は、声でないから嫌いとかなんないから...素直なまんまで気持ちよくなってよ。」
「っ...。」
先輩...優しすぎるんですよ。
「ひぃ、ぁ...す、きぃ...んっ...」
先輩がピストンを速める。
これで先輩がイキそうなのが分かる。
先輩の顔が少しだけ歪む。
「一緒、一緒ぉ...。」
「わかってる...っ。」
「ひぃぁぁ...やぁ...。」
「出すからね。」
それを合図にドクドクッと先輩の熱が俺の中に拡がった。
「ねぇ、陽...名前呼んで?」
「んっ...鳴宮さん。」
「な、ま、え...」
「ゆ、や...さん。」
「んー、優哉。」
「優哉ぁ...。へへ。」
俺なんかには釣り合わない、かっこいい先輩。
先輩は、俺なんかでいいんですね。
後悔しても知らないですよ。
「優哉は、俺の...。」
「ん。」
そう言ってキスをした。
舌を絡めた大人のキス。先輩から教えてもらったキス。
_優哉がすき 。
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