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拒絶
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次の日、優哉と一緒に登校した。
と言っても、校門まで。
ばいばいと、手を振ってお別れする。
すると、凛も阿久津先輩とお別れした直後で一緒に登校することになった。
校門からは然程遠くない下駄箱までたどり着き、開けるとバサバサと似つかわしくない音がまだ誰もない校舎に反響する。
優哉と俺の写真。全てがそうだった。
俺メインに写ってる。たまにキスしてるとことかいちゃついてる所があった。
音に気づいて凛が振り向いて、一言 どうしたん!?と声をかけてきた。
「優哉には、言わないで...?」
先輩は卒業も試験も近いから、なるべく迷惑はかけたくなかった。その一心で藁にもすがる思いで凛にお願いした。
「......わかった。優哉先輩にはいわんとく...。でも、何かあったら言うんやで?」
「...うん。」
床にバラバラに散らばった写真を1枚1枚拾い集めて、鞄に詰め込んだ。あの時聞こえたシャッター音。この写真を撮っていたんだろう。そう思いつつ眺めていたのは昨日優哉が肩に頭を乗せてきたあの写真。
この日は何もなく、部屋につくことが出来た。
優哉はくっつこうとしてくるけどいつ何時撮られるか分からない。その恐怖に支配されて心が通い合うようになってから初めて拒絶した。
自分がこんなにも弱いなんて、知らなかった。そう感じて涙をボロボロと流していた。
こんな俺にあの事はまだ予想もつかなかった。
不甲斐ない自分がいたから、起こった。
あの時、みんなを頼っていれば。
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