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近づく死
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「あ、貴方ですか?あの、写真…。」
「うん、そうだよ…って言ったらどうする?」
手のひらをぎゅっと握った。ヒリヒリとするぐらいに。それを聞いた時、とても殴りたいという衝動に駆られた。なんで、邪魔をするんだ、と。
「俺、なんかしました?貴方に。」
震える声で俯きながら問う。返事は少し遅れて返された。
「したよ、うん。僕は君に消えて欲しいと思ってるから。…優哉の優しいところに漬け込む雌豚。」
「なっ、め、すぶた?」
この人は優哉先輩のなんなんだ。罵られなければいけない理由は?
「僕ね、優哉のこと狙ってたんだよ。君が来るずーっと前から。優哉…最初ははぶられててね、そこを僕が救ったの、あ、知らなかった?そっかぁ。」
「知らなかったですけど、だからなんです?はぶられてて、そこを救った?…ただのヒーロー気取りじゃないですか。」
「なっ、むかつくから殴らせて??」
そう言われた次の瞬間体が思い切り吹っ飛んで壁に体をぶつけてしまった。痛い。折れたんじゃないかってくらい。実質折れてないけども。
鉄の味が広まる。
「痛い?痛いよね、僕も痛かったよ、君が優哉とキスしてるときも、抱き合ってる時も、君を…コロしたくて堪らなかった。」
先程殴られた頬を撫で始めたかと思ったらギチギチと爪をたて始めた。情緒不安定??
目線ががらりと天井に向けられて、押し倒されたとわかった。ぎっちりと爪を立てられ親指の腹で喉仏を押さえられる。息ができない。酸素を求めて息を吸う度に、かひゅと音がなり口を開ける度に片手で塞がれる。
「助けてくれないよ、優哉は。」
その言葉を最後に暗い闇に意識を落としてしまった。
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