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episode.3
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「はぁぁぁ…かっこいいいぃ…」
ベタァ、と机に突っ伏してそういうエレンの右手には、ビールが入ったジョッキ。
「…今日はまた一段と酔いが早いね」
仕事を終え、アルミンとともに近くの居酒屋に入ったエレンは、たった一口ですでにトロン、としている。
もともとお酒には弱く、すぐに酔っ払ってしまうエレンだが、さすがにビール一口で酔ったのは初めてだった。
そしてエレンは酔い始めると、素直に感情を吐露しだす。
「だってさぁぁ…何あれほんと、かっこよすぎ…昔の兵長もめちゃくちゃイケメンだと思ってたけど、ダークスーツ似合いすぎだし、タバコとか様になりすぎだし、なんなのほんと、かっこいいぃぃ…」
昔のエレンは、感情をあらわにするといえば、怒りや憎しみの方で、恋心をさらけ出すことなどなかった。
「ずいぶん惚れ直してるね」
アルミンやミカサにも昔の記憶があるらしく、ハンジと事務所の所長であるエルヴィンにも、記憶があることを確認している。
記憶がないのは、リヴァイだけだった。
「クライアントの話聞いてる時の真剣な顔とか、車運転してる時の横顔とか、あとあと、紅茶飲んだ時の少し嬉しそうな顔とか…かわいぃぃ…」
(可愛いはどうなんだろう…)
アルミンは頭の中に浮かんだ疑問を消し去るようにビールをあおった。
「はぁぁぁ…リヴァイさん…すき…」
ほんのり顔を赤らめているのは、お酒のせいではないだろう。
「…本人に言えばいいのに…あの人ゲイなんだし」
「むりむりむり!!そんなの恥ずかしくて死んじゃう…」
「昔はもっと積極的だったのに」
アルミンはくすりと笑う。
「や…告白、されたもん…」
「…そうだったの?てっきりエレンが告白したんだと…」
「いえるわけないだろ…俺が」
エレンはそう言ってちびりとビールを口にする。
「巨人をぜーんぶ倒した後、兵長が、俺と付き合えるかって聞いてきたんだよ。俺はずっとずっと好きだったから、すぐ頷いた」
「そうだったんだ。ちょっと意外」
「そういえば…俺が死んだ日も何か、言いたそうにしてたような…」
「何かって、またお前に会いたい以外に?」
「んんんん…だめだ、思い出せない。のもう」
「…飲むのはいいけど、飲みすぎないでよ?」
「わかってるよー」
(わかってないな…)
その後エレンはビールを飲み干し、レモンサワーを一杯飲んで完全に潰れ、アルミンが送って帰るはめになった。
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