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episode.4
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事務所で、リヴァイはふぅ、とため息をつく。
依頼の整理や、裁判に向けた準備で残業をしていたところだった。
喫煙スペースに行きタバコを吸う。
フゥ、と吐き出した紫煙は、タバコの独特な香りを部屋に広げる。
「あ、リヴァイさん」
「シンか。お前どこにいた?オフィスいなかっただろ?」
「あ、忘れ物で」
シンはそういうと台の上に置いてあったライターを手に取った。
「そうか、お疲れ様」
「…あの、リヴァイさん、どうして俺は…リヴァイさんのアソシエイトから、外れたんですか?」
「イェーガーを見るので手一杯だからだ。もともと俺はジュニアパートナーもシニアアソシエイトも持たない。ジュニアアソシエイトも1人が限界だ」
「…そう、ですか」
「ハンジもあぁ見えて仕事はできる奴だ。お前がスキルアップしていくためにもいいと思ったから決めた」
「じゃあ、エレンをアソシエイトに選んだのはなぜですか?」
「…なぜ、か」
それはリヴァイ自身にもよくわからないことだった。
初対面でボロ泣きされ、紅茶はまともに淹れられないし、机は常に乱れている。
それでも、あの目に、惹かれた。
まっすぐで、相手を捉えて、話さない、あの目。
「さぁ、な。俺にもわからない」
そう言った時のリヴァイの表情は、柔らかいものだった。
(エレンのことを考えただけで…そんな表情するのかよ…)
シンはギリッと歯を噛み締めた。
「まあ、なんだ、わからないことがあったらいつでも聞け。ハンジは事務所にいないことも多いしな。相談くらいは乗ってやるぞ」
リヴァイはそういうとタバコの火を消す。
「はい、ありがとうございます。俺、一本吸っていくので」
「そうか。お疲れ」
シンはニコリと笑ってリヴァイが先に出て行くのを見る。
1人になったシンは、無表情になった。
(エレン・イェーガー…気に入らない)
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