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episode.8
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「あれ…仮眠室だ…」
朝日の光で目を覚ましたエレンは自分がベッドに寝ていることに驚く。
そしてなぜか、自分のものではないジャケットがかかっていて、ぼーっとする頭で必死に思考を回す。
(…あれ…このスーツ…リヴァイさんのじゃ…)
ハッとしたエレンは飛び起きたが、頭がクラクラしてすぐにベッドに倒れ込む。
「おい、なに1人で暴れてるんだ」
「わぁぁぁ!!ゴホッ、ゴホッ、ゲホッ…」
突然の声に驚き、大声をあげたせいで咳が出る。
「ったく…なにやってんだお前は」
「りゔぁ…ゴホッ…さ…ゲホッ…」
「咳してるくせに無理に話すな…」
リヴァイは呆れてため息をつく。
「…まだ熱があるだろうから今日は帰れ。明日も休んでいい」
「でも…ゴホッ、ゲホッ」
「そんな咳してるやつに仕事されても困る。帰って休め。エルヴィンには俺から言っておく。いいな?上司命令だ」
「は、はい…」
しゅん、としたエレンの頭をリヴァイがポン、と撫でる。
「休むことも大事だ。わかるな?」
「は、はい」
(…なにこの不意打ち…)
「俺はこのまま仕事するから、適当に帰れよ」
そう言って出て行ったリヴァイを目で追いながら、エレンはカァァと顔を赤くした。
「ずるい…」
昔も、エレンがしゅんとしているときは必ず頭を撫でてくれていた。
(…そこは変わってないなんて…)
「すき…」
リヴァイのジャケットをぎゅっと握って、エレンは呟いた。
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