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episode.12
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「はぁぁ…」
「…また随分と悩ましげね」
「アンリさん!」
残業中も集中できず、ため息ばかりついていたエレンに、アンリは紅茶を淹れてくれた。
「リヴァイさんとなにかあった?」
ハンジのパラリーガル、アンリはとにかくできる女だ。
「えっと…なにもない、です」
アンリはたまに、リヴァイに熱烈な視線を送っているときがある。
毎日一緒にリヴァイと行動をしているエレンは、その視線の意味がわからないほどバカではない。
(…アンリさんって、リヴァイさんのこと好きなのかな…)
リヴァイは事務所では有名なゲイだ。
だから告白はしないのかもしれない。
エレンはそう思っていた。
「アンリさんは…リヴァイさんのことどう思ってますか…?」
「やだ、嫉妬?可愛い。やっぱりエレンは受けね…」
ぼそぼそとアンリが何かつぶやいているが、エレンはその声が聞こえず、首をかしげる。
「エレンはどう思う?」
「…その…アンリさんは…リヴァイさんが…好きなのかと…」
「…っふははは!ありえないわね!」
「え、え?」
「だってあの人は、私にとって、妄想の材料だもの」
「ど、どういう…」
「ここではアルミンしか知らないからね。私が腐女子なこと」
腐女子…?
と、エレンの頭の中で言葉が反芻される。
「え、え?!」
「リヴァイさんは、私にとって萌えの材料よ。それにリヴァイさんはエレンが…」
「…俺が?」
「いえ、なんでもないわ。とにかく、リヴァイさんの恋路を邪魔する気はないわよ。私、リアルはダメなはずだったんだけど、リヴァイさんならいくらでも妄想できるわね」
(ダメだ、ぜんっぜんついていけない)
話についていけなくなったエレンが、唯一理解したことは、アンリはリヴァイが好きではない、ということだった。
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