アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
episode.19
-
12月も末になり、仕事納めの時期になって、また忙しくなってきた。
あれからリヴァイとエレンは、特になんの代わり映えもない生活を送っている。
…と言いたいところであるが、リヴァイはそうではない。
「なにその悪人ヅラ!!人何人か殺したでしょ!」
「…あ?」
ハンジがそう言うのもそのはず、ここ数日、リヴァイの不機嫌度は最高潮に達していた。
というのも、エレンへの恋心を自覚してみれば、エレンの行動は無防備、無自覚、天然のオンパレードなのだ。
気持ちを隠すことなど簡単だと思っていたリヴァイにとって、思わぬ壁が立ちはだかる形になった。
「それでクライアントのところに行くとかやめてよ。評判問題だから」
クスクスと笑いながらそう言うハンジは、本気でやめろと言っているようには思えない。
「ハンジさん、クライアントからメール届いてます。直接、ハンジさん宛てなのでチェックお願いします」
「はいはーい」
アンリに呼ばれてハンジがいなくなり、リヴァイはふぅ、とため息をつく。
そっとエレンに視線をやれば、エレンは真剣な顔で資料を見ているようだった。
(…ガキ相手に俺はなにを…)
だが、リヴァイが不機嫌な理由は、もう一つあった。
「チッ…ここもか」
年末の大掃除前で、オフィスのあちらこちらの埃が気になるのだ。
潔癖性にも近い、リヴァイの掃除好きは、これもまた事務所では有名な話だった。
「…ひどい顔ですね」
シンにまでそう言われ、さすがのリヴァイも自分の顔が気になってきた。
「そんなにひでえか」
「…かなり、不機嫌に見えますが。それではエレンが逃げるのでは…?」
「?逃げはしないだろ」
「え…?あの、一応確認しておきますが、あの後お気持ちは伝えられたんですよね?」
「言うわけねえだろ」
「は…?」
シンが、心底呆れた、という声を出す。
だが、ハッとしてすぐに、すみません、といった。
「あまりに、驚いたもので…つい失礼な態度を…てっきり、お付き合いされているものと思っていました」
「なわけあるか」
「…ではそのせいで不機嫌なのですか?」
「…そうなのか?」
「いや、俺に聞かれましてもですね…」
質問を質問で返されたシンは頭をかく。
リヴァイの恋を応援すると決めたはいいのだが、どうやらまだ、恋に発展していないらしい。
「…まあ、アソシエイトで、ずっと一緒にいるわけですし、少しくらいプライベートなお付き合いもしてみてはいかがですか?」
「…考えておく」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 47