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episode.34
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エレンは混乱していた。
心臓はうるさいくらいにバクバクとなっているし、手にはじんわりと汗をかいた。
今、何が起こったのだろうか。
「お前には遊びのつもりでも、俺はそうじゃねえかもしれねえだろ。わかったら今度から酒には気をつけるんだな」
リヴァイはそういうと、またハンドルを握って車を出そうとする。
だが、エレンはリヴァイの腕を掴んだ。
「おい、なんだ」
「…………………で」
「なんだ」
「……わすれないで…ください…」
顔を下に向けて、リヴァイとは目を合わせないようにする。
目を合わせたら、泣いてしまう気がした。
今まで、ずっと、待ち続けると、そう思っていたが、もう我慢できなかった。
「お願い…思い出して」
リヴァイのワイシャツを右手で掴み、左手にはリヴァイがかけてくれたジャケットを握った。
「なんの話だ」
車のシートに、ポタポタと雫が垂れて、シートの色を変えた。
止めようと思っても止まらないそれは、次々にシートのシミを増やし、エレンは肩を震わせた。
「…俺のこと…忘れないでください」
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