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遅刻。
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「ふあぁ、・・・・・・眠・・・・・・」
大きく欠伸をして起き上がる。
「いたた・・・・・・また寝違えた・・・・・・」
取り敢えず現代人必然の行動として、
スマホのロックを外して画面を開く。
あー・・・・・・最俺のグループLINEで
『今日12時俺ん家で実況撮るぞー!』
と、キヨから来ている。
ふぅん。12時。お昼どーすんの、と思うが、
どうせ一緒に食べるんだろう。
途中で買っていかなきゃ。
今何時かな、と今更ながら気づく。
12時五分。
・・・・・・・・・・・・12時、五分。
「ち、遅刻じゃん!!!!!!」
ふ、服着替えないと!パーカーでいいや!
俺の馬鹿あぁ、調子のって飲むからじゃん!
いやあれは自棄飲みだけどぉ!
ばたばたと家を出て、やっと駅に着く。
ドアが締まりかけている電車に滑り込む。
12時半にはキヨの家に着けるかな。
そうであって欲しい。
「お、お邪魔しま〜す」
そろそろとキヨの家に入る。
一応電車内で遅れることは伝えたよ、
けど絶対怒られるなぁ、と思いつつ。
「あぁ〜!遅いよフジ〜!」
しかしキヨの家に居たのはヒラだけ。
「あれ?ヒラだけ?」
「うん、二人は買い出し。僕はお留守番。」
留守番に『お』って付けるの可愛いッ!
ではなく。
てかなにいってんの俺ぇぇ!
「てゆーか本当遅いよフジ!何してたの?」
「あは・・・・・・寝坊しちゃって」
「ふぅん?」
少し探るような声音に、嫌な予感を覚える。
「早速駄目駄目だねぇ」
「うっ・・・・・・」
聞くまでもない。昨日のことを言ってるんだって、直ぐに分かっちゃった。
────・・・・・・本当だよ駄目駄目じゃん俺!
これじゃヒラが俺のこと好きになる日なんて一生来ないよ・・・・・・・・・・これから頑張ろう。
不意に玄関のドアが開いた。
「ただい・・・・・・あー!フジ来てる!」
「おせーぞ!」
「あ、ヒラ、サーモンあるぞ」
「え?こーちゃんありがと〜」
「つかフジ、ヒラに何もやってないよな?」
「えっなに言ってんのキヨ!?」
「ちょっとフジ、うるさい〜」
「俺だけ!?」
あ〜あ、ふたりが帰ってきちゃった。
もう少しヒラとふたりでいたかったなぁ、
なぁんて。
もしかしたら、だけど。
ヒラが留守番してたのは、
キヨ達が気を使ってくれたのかな?
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