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違和感。
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最初は気のせいかな、と思った。
家に居るのに、誰かに見られているような、
そんな感覚なんて。
自意識過剰なんだよ、僕。
・・・でも違う。自意識過剰なんかじゃ無い。
実況撮ってる時も、ご飯食べてる時も、
ベッドに入った時も、外に出てる時も。
・・・・・・・・・・・・それ、から。
それから、フジや最俺の皆と居る時も。
──────・・・・・・・・・・・・怖い。
怖い。怖い怖い怖い怖い怖いきもちわるい。
気のせいだ、気のせいだ、気のせいだ。
自己暗示をかけても。
決定的な証拠がやってくる。
夜。
郵便物取りに行くのが嫌で、
今日1回も郵便受けを見ていない。
そろそろ行かなきゃだめかぁ。
郵便物を取りにアパートのロビーへ降りた。
郵便受けの扉を開けて、全て引っ掴み、
階段を駆け上がる。外にいるのが怖いから。
「は、ぁ・・・・・・疲れた・・・・・・」
あー、僕運動不足だな。運動しないとな。
とか思いながら、手にした封筒を見る。
・・・・・・何も書いていない。
真っ白な封筒に何も書いていない。
それはすごくおかしなことに見えた。
震える手で封を切る。まさか、まさか。
『ヒラさんだいすき』
「・・・っう・・・・・・、」
吐き気がして、トイレに駆け込む。
苦い胃液まで吐き出して、でもまだ吐き気は消えない。
「そ、だ・・・・・・他の・・・・・・」
同じように何も書いていない手紙が五つ。
『動画ぜんぶみてます』
『かのじょいませんよね』
『電話番号発見。〇〇〇―〇〇〇〇〇』
『今度電話しますね』
『好き好き好き好き好きだーいすき。』
怖い。嫌。誰が。
気のせいじゃない。
自己暗示はもう、使えない。
怖い。助けて。タスケテ、誰か。
フジ・・・・・・・・・・・・。
ふらつく脚を必死に動かして、進む。
「わ、すいません、・・・・・・って、ヒラ?」
「ふ、じ・・・・・・」
暗くて周りに人がいないことが幸いした。
思いっきりフジに抱き着き、
「わっ、ちょちょ、ヒラ!?」
「た、すけ・・・・・・グスッ、助けて・・・・・・!」
心から、助けを求めた。
お願い、フジ、僕を助けて。
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