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13反抗期-1
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流石にやりすぎてしまったかな、と反省をして翌日。
内開きの柿狗くんの部屋の扉を押しても、扉が開かなかった。
何かで塞がれているらしく、体重をかけて無理やり押し開く。
扉を塞いでいたのは無惨な姿になったパソコンと、その他放送機器。
後始末を終えて僕が帰ったあと、扉の真横にあるパソコンデスクからパソコンを叩き落としたらしい。
ベッドにはまん丸になった掛け布団。
その中に柿狗くんはいるのだろう。
僕はパタンと扉を閉めて、ベッドに腰を掛ける。
軋んだベッドに、まん丸の掛け布団がびくりと跳ねた。
僕が怖いのかな。
掛け布団の上から、頭があるであろう辺りを撫でる。
芋虫みたいに丸まった、こんなに可愛い柿狗くん。
家から出られず、部屋から出られず、今度は布団から出られない。
どんどん居場所を無くして、その中で泣き濡れているのだろうか。
「柿狗くん」
掛け布団の端を掴み、引き剥がそうとするが、中で柿狗くんが必死に抑えているようだ。
強い力で抵抗している。
でも、布団の中って息苦しいんだよね。
自分の吐いた二酸化炭素で暑くなってくるし。
だから、そんなところから早く顔を出して欲しかった僕は、中にぐいっと手を入れた。
「いたっ」
指先を強く噛まれて、驚いて手を引き抜く。
噛まれた中指からは血が出ていた。
掛け布団はますます強い力で抑えられている。
動物のような行動に、僕は憐れみと愛情しか感じない。
僕はぽんぽん、と二回掛け布団を軽く叩き、ベッドから立ち上がる。
そしてそのまま柿狗くんの足側に移動し、一気に掛け布団を捲りあげた。
姿を現したのは、四つん這いに蹲る柿狗くん。
電気の光が眩しいのか、目をつぶっている。
握っていた掛け布団の端を手繰り寄せ、顔を押し付ける。
隠れると言うよりも、縋ると言う方が正しい。
「柿狗くん」
僕は柿狗くんの足の間に正座し、後ろから抱き上げる。
「やだ」
振りほどかれて、柿狗くんは掛け布団の上にごろんと転がり丸くなる。
それなら仕方ないと、僕もごろんと横になり、後ろから抱き締めてあげる。
柿狗くんの足に自分の脚を絡め、胸の前で固く握った拳を上から握り、細く手折れてしまいそうな首筋にスンと鼻を押し当てる。
柿狗くんはやだやだと、泣きそうな声で呟いた。
僕はずっとこのままでいたかったし、もっと泣き叫ぶような酷いこともしたかったし、とろとろに蕩けるまで甘くしてあげたかった。
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