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15柿狗くんとまったり-1
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おねむな柿狗くんは、見ていて癒される。
今朝は祝日で休みだったので、朝早くから柿狗くんの元へ。
案の定寝ていた柿狗くんのベッドに僕も横になる。
布団に包まれて幸せそうな寝顔の柿狗くん。
僕が来たのに、全く気付く様子もない。
僕は自分の腕を枕に、しげしげと柿狗くんを眺めた。
短いまつ毛、手入れもしていない眉、乾燥した唇。
なに一つ整ってはいない、ごく普通の成人男性の顔。
漫画やドラマに出てくる可愛い男の子ではない。
それなのにどうしてだろう。
静かに寝息を立てて惰眠を貪る柿狗くんが、愛おしくて仕方ないのは。
いつから僕は、柿狗くんをこんな風に思うようになったのだろう。
何をするでもなく、じっと柿狗くんを見つめる。
そのうち僕がいることに気付いて、目を覚ましてくれるかな。
早く目を覚ましたらいいのに。
可愛い可愛い柿狗くんが、僕のいない夢の世界で幸せそうにしているなんて。
柿狗くんの夢に嫉妬するなんて相当だ。
でも、現実も夢も、柿狗くんの中は僕でいっぱいになってしまえばいいのに。
明白な独占欲。
でも、柿狗くんは誰にも奪われることはない。
引きこもりのニートだもの。
だからそれだけは安心できる。
触ったら起きてしまうかな。
僕は少しだけ柿狗くんと距離を近付けた。
柿狗くんの皮のめくれた唇の端に目がいく。
浅く開いた唇。
その奥にある舌を、舌に僕の舌を絡めて、息継ぎの下手な柿狗くんが泣くまで貪りたい。
泣き言もなにもかも僕の口で塞いで、息絶えるその時まで酸素を共有し続けたい。
鼻と鼻がつきそうな程近くまできて、柿狗くんは目を覚ました。
まだ夢と現実が曖昧らしくて、ぼーっとした目で僕を見る。
「……」
眠たげに、ゆっくりと瞬きを繰り返す。
どんなに寝ても、もっと寝たいと思うくらい、柿狗くんは寝るのが好きらしい。
「なに」
寝起きで掠れた声が僕に聞いた。
目を開けていられないのか、目をつぶった。
「なんでもないよ、別に」
僕が言うと、興味なさそうにふーん、と言う。
本当になんとなく、柿狗くんに会いたくなっただけ。
生放送してもよかったし、そうじゃなくてもよかった。
したい時にしたい事をする、そんなところは僕達すごく似ていると思うんだ。
「寒くないの」
「んー、ちょっと」
ベッド以外に生活感のない柿狗くんの部屋は、外気に左右されやすい。
まだ早朝の今は、下手すれば息が白くなるほど室温が低かった。
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