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吾輩は鈴木である(R’s、番外) 8
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俺が啓と大きな音を聞きつけて廊下に顔を出した時、すでに現場は修羅場と化していた
具体的に何がどういう状況だったかというと篠田先輩のナニがやんごとなき事態だった
「……今の蓮君…ビチクソにカッコ悪いんだけど…」
「………」
「茜の評判まで下がったらどう落とし前つけてくれんの?ア?」
「……ごめんなさ…」
「…ッチ…声がてめえのちんこ並みにちいせえよ…」
「ご、ごめんなさい」
篠田先輩の彼女の茜ちゃんが篠田先輩の顎めがけて拳を突きつける
茜ちゃん…結構タイプだったのに…
てか篠田先輩ちんちん小さいのかな…かわいそう…
そして茜ちゃんの細い足がぎぎぎっと篠田先輩の股間に食い込む
もう見てるだけでこっちまで縮み上がった
いててて…俺、きっと優しい子を彼女にしよう…
でも話を聞いていた感じ篠田先輩はやっぱり本心からバンドをしたくないわけではないみたいだった
詳しくはわからないけれど何かわけありらしい
そして先輩も茜ちゃんに説教をされ何かハッとしたらしかった
でも股間に女の子の足が食い込んだ状態でそんな「ハッ!」みたいな顔されても…
それはとにかく篠田先輩ははっとするとふーっと息を吐いて茜ちゃんの頭をぽんぽんっとたたいた
なんであの状態の茜ちゃんの頭をぽんぽんできるかわかんない、俺にはさながらオオカミかトラかなにかの頭を撫でる行為にしか見えない…
でも二人にはそれで通じるものがあるのか茜ちゃんは足の力を緩め篠田先輩を解放した
まだ顔は怖いままじとっと篠田先輩を睨んでるけど…
でもよかった…篠田先輩の小さなちんちんが無事でよかった…
股間を抑えひぃ~ってなりながら二人を眺めてた俺達の前まで篠田先輩は来ると少し照れくさそうに頭をポリポリと書きながら口を開いた
「………バンド…入ってやってもいい…」
「ア?『入ってやってもいい』?」
「……入れてください」
「よ、よろこんで…」
先輩の言い方が気に食わなかったらしい茜ちゃんの足が今度は篠田先輩の後ろから股間に迫りその寸前で止まる
男子一同ヒィ!!ってなりながらのある意味切迫した空気の中での加入だった
なんとか茜ちゃんをなだめ音楽室に入って男子全員内股気味で椅子に座ってから篠田先輩が口を開いた
先輩は去年何があったかを全部話してくれた
「オレその…それでちょっと女々しくなっててさ…またあんな風になるかもって…それで結構きついことも言ったと思うんだけど……その…ごめん…その分って言っちゃなんだけどオレ頑張るからさ…」
「……せんぱい…!!」
先輩は意外と素直でしゅんとして(茜ちゃんを恐れてかもだけど)話してて、少し臆病になってただけなんだなって思った
この人となら音楽のセンスだけの話じゃなくて一緒にやっていける…
俺が探し求めていたバンドメンバーだった
「是非!!うれしいです先輩!!先輩こそ俺らの求めてた神ベーシストです!!」
「……蓮でいい…」
「へ?」
「呼び捨てでいいよ…敬語もいらねえ…」
「………!!!」
なんだか一気に「仲間」感が出て胸の奥のほうがムズムズってした
ずっと幼馴染でお互いに気づいたらいたっていう啓はまたちょっと別だし、啓にとっても俺にとっても初めての「新メンバー」だった
「ふふー、れんー?れんれんー?」
「……それはなんか気持ち悪いな…」
「れんれんー」
「……二宮?だっけ…もやめろよ」
「れんれんー?」
「茜も…いや、茜はべつにいいのか…」
篠田先輩改め蓮は照れくさそうにしながらもどことなく嬉しそうでそれが俺もうれしかった
その時キーンコーンカーンコーンと学校のチャイムが鳴った
時計を見るともう下校の時間だ
「あ!!せっかく篠田…じゃなかった、蓮入ってくれたのに一回もあわせてない!!」
「あー!!茜せっかく蓮君のくっそ重いベース持ってきたのに!!」
「…くっそ重い…?てかなんで勝手に持ってきてんの!?」
「もうっ!!蓮君ほんと重かったんだから!!帰りちゃんと焼きマシュマロの奢ってよね」
「ええぇ~…しかもそれまだ有効なの!?」
「あっ、じゃあおれも~」
「俺も俺も~」
「お前らには奢んない!!」
楽器を片付けて足早に音楽室を出る
こうして篠田先輩は俺らの一員になった
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