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吾輩は篠田である(R’s、番外) 4
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吾輩は篠田蓮(しのだれん)、のちのR'sベースである
当時はオレはまだかっこつけたがりのガキだった…痛いなぁ…
……まぁ今もそんなに代わってないか…
でもとにかく一年留年もしといて本気出すオレかっこわりーと思ってたんだ…
「連く~ん、良かったの?あの人たち…?」
「あ?誰のこと?」
「あのバンドの人たちだよ」
彼女の茜がぷぅっと頬を膨らませて顔を覗き込んでくる
女特有の甘ったるいにおいが漂った
ココは音楽室の隣にある器楽室だ
防音だし楽器が置いてあるから空調設備も利いてて居心地がいい…
しかも授業で年数回使うだけの楽器を保管してる場所だから人の出入りもなくて気に入っていた
あー…あのなんか…変な奴らか…
ふいっと顔をスマホに視線を戻して返事をする
「あー…別に…だってオレもうそういうのやる気ねーし…」
「嘘、私、知ってるよ、また楽器やりたいんでしょ?」
「……やりたくねーよ…あんなのに本気になるなんて…だせえ…」
「………」
「…どうせ高校生レベルのちょっと集まってそれなりに練習してそこそこメジャーな曲をまぁまぁのレベルで弾ければ満足なレベルなんだろ…そのうちあいつらだって彼女だ、勉強だ、部活だってもっとやりたい物見つけたらあっさり解散するんだろーよ……」
「………」
耳にイヤホンをツッコミプイッと茜に背を向けてごろりと置いてあるソファにの上で寝返りをうった
………変なやつ…あの昨日のあいつら…
そんな事を思いながらフンッと鼻を鳴らした
初対面のやつに楽器出来るか聞いて二言目にはバンドしないかーなんて…
……バンドなんて二度とするかよ…
脳裏に半年前の出来事が思い出された
『あー…バンド?なんか初めはそう言うノリってかさぁ…?勢い?的な奴でさぁ~』
『もう萎えちゃったんだよね~…楽器なら家でもできるし…今は部活の方集中したいって言うかさ?』
『わかれよ、自然消滅って言うの?もう皆触れないようにしてんだよ』
イライラして来てミュージックプレイヤーの音量を上げた
ガンガンと音楽が頭に響く
結局一人で楽器ばっかやってよ、そいつらとはケンカするわオレだけ停学になるはしかも結局留年するわで…
ばっかみてえ…
目をつぶって意識を深く沈ませようとした
するとその時ちょんちょんっと肩を突つかれた
「……んだよ茜…今ほっといてほしいの」
「………」
ガンガン鳴り響く音楽に交じって何か聞けた気がしたけど茜の小言だろうと真面目に請け合わなかった
今度はとんとんっと肩をたたかれる
今度はそれを無視した
すると今度はがっしりと肩を掴まれてがくがくと揺さぶられた
「ったく、なんだよ!!」
「わぁ!!」
「わわ…」
イヤホンを自分の耳から引っこ抜いて立ち上がるとそこには昨日のあの二人組がいた
そいつらの後ろから茜が『蓮君大きい声出さないでよ~』っと耳をふさいでいる
「………」
「……あの~…先輩?」
「あぁ!?」
「…あの…お話が…」
「………ッチ…帰るぞ茜…」
「えぇ~…」
「えぇ~じゃないの」
おろおろする後輩…って言っても今じゃ同学年だけど…とにかくそいつとそいつの友達?のぼやーっとしたやつをそこに置き去りにして教室から出た
……マジでなんなんだよ…アイツら…
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