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大和と誠也
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一条大和は、一条誠也に抱き締められていて、大和も抱き締め返していた。
大和も誠也を求めるように首元に顔を埋める。
大和にとって誠也は、戸籍上では兄であり小学校上がる前に最愛の父親を亡くした大和の保護者代わりでもある人。
大和にとって、父のような母のような兄のような、とても大切な存在が誠也だ。
「大和、我慢しなくていいから…。好きなだけ泣いていいから。この街には大河の思い出がいっぱいあるもんな…」
その言葉に大和は二回頷く。
大和が二回頷くのは、大和の父、大河の癖だったから…。
「仕事とはいえまたこの街に来させてしまって、ごめん!」
誠也の言葉に大和は首を振る。
「ううん。僕が、誠也さんと一緒にこの街に来るって言った。…だけどこの街に来たら、お父さんの事、いっぱい思い出した…」
新しい家の中には、まだ開けられていない引っ越し屋のマークが入った段ボールが置かれたまま。
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