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教科書
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大和は土日や長期休みまで学校に行きたくない。
誠也の傍にいたい。
それに長期休みには関西に帰って誠也と大和の父と母である、力達にも会いたい。
大和にとってとても好都合なクラスだ。
そして特別進学クラスを選ぶ人間は個性が強い、と噂されている。
教室でミニトマトを育てている人間がいるだとか、二次元としか会話したことがない人間がいるとか、電車の時刻表しか愛せない人間がいるとか、
なぜだか特別進学クラスに纏わる噂だけはいっぱいある。
このクラスに入って、噂は本当だったんだと大和はわかった。
今から実力テストの前なのに、誰も教科書を開いていない。
座席は出席番号順で並んでいるが、嶺と大和の間に挟まれている男子生徒だけが、一生懸命に教科書と睨めっこしている。
他の生徒達は教科書とは違う専門書を開いていたり、なぜか机の上に金魚鉢を置いて飼い始めた金魚に声を掛けていたりする。
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