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「これね、大和くんのことを思ってね、俺が学校で手裏剣を作ったんだ!大和くんにあげるね!」
学校の休み時間に大和くんの事を思って折り紙で作った手裏剣を、大和くんの前に差し出す。
「……。…ありがと…」
大和くんは顔を下に向けたまま、手裏剣を受け取ってお礼を言ってくれる。
それから大和くんは手を繋いでいる大河さんの方を助けを求めるかのように見上げる。
大河さんは笑顔で、大和くんは抱き上げる。
大和くんは手裏剣を大河さんに渡すと、力一杯大河さんを抱き締めてから、大河さんの首元に顔を埋める。
「煌貴くん、いつも大和のためにありがとう!」
俺は首を振る。
何とか大和くんの気を引きたくて毎回、プレゼントしてみるけど、全然うまくいかない。
大和くんはいつも下を向いたまま。
顔さえ上げてくれない。
大和くんは俺の顔さえ見てくれない。
きっと大和くんは俺の顔を知らないだろう。
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