アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
呻き声と鈍い音が廊下に響く
人数的にも体調的にも不利すぎる
口ん中血の味するし、なんか腹減りすぎてフラフラしてきた
「が、ぁ・・・ッ」
避けきれなかった3年の蹴りが思いっきり腹に入り、後ろに吹っ飛ぶ
かってぇ壁に背中をぶつけると思って身体を強張らせていると、俺が想像していたよりも硬くないモノにぶつかった
一瞬壁って案外痛くねぇもんなんだなと思った
バサァッと物が廊下に落ちる音と俺の二の腕を掴んで身体を支えてくれてる手に、これは人か、って情報処理能力のおせぇ頭がやっと理解した
「先生呼びましたよ」
低いけど通った声が俺の後ろから聞こえてきた
3年は怪訝な顔をしたまま伸びてるヤツを起こし始めた
「チッ運がよかったな」
「次はねぇからな」
負け犬がほざくような台詞にカチンっときて反論しようと開いた口は後ろのヤツに塞がれて言葉にはならなかった
運がよかったのはおめぇらだろぉが!くそが!!
「大丈夫か?」
「・・・」
後ろを振り向くと、背のでけぇ男が居てビビった
黒髪でもさい、しかも眼鏡かけてる
見た目は大男の陰キャラ
「口、血でてるな、ほら」
「あ?」
「絆創膏」
大男の手の上には絆創膏が2枚あった
「他に怪我は?」
「・・・」
「おい、黙るな」
「ね、ねぇよ・・・」
「手、擦り剥いて血出てるけど?」
「はあ?」
なんなんだコイツ
今まで何をしたって俺の心配をするヤツなんかいなかった
怪我したってほっとけば治るし
初めて、こんなに真剣な目で心配された
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 141