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真緒side
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「あぁ゛?」
「レイプとか、ありえねぇって言ったんだよ」
耳腐ってんのか、と少し小さな声で言ったピアス
でも思いっきり聞こえてきた
ボクは驚いて、その場にぺたんと腰を下ろし
ピアスの男を見つめた
「つーか、後輩犯すとか頭可笑しいんじゃねぇの」
「んだと・・・?」
すごいキレてるバカ共
バカ共は5人いる
学ランは2人だ
それに、歳も違ければ体格も違う相手に、どうしてそんなに啖呵を切れるのか
力の差は歴然なのに
「つーかお前」
そう言ってボクに向かって指を指してきたピアス
「抵抗しねぇからコイツ等が調子乗るんだろ?バカなんじゃねぇの」
「・・・は?」
いきなりなんだコイツ
何も知らないくせに、ボクみたいな弱いヤツのことなんか、分からないくせに
口だけのヤツは沢山いる
口だけで実際弱いんだ
コイツも、見た目だけだ
「ふ、ざけんな・・・」
「あ?」
「そんなの分かってる!!」
「あぁ゛!?」
「おい、マジギレすんなよ」
前髪上げ男がピアスにそう言う
思わず言い返してしまった
こんな大声出せたんだな、と自分でやっておいて思う
そんなことをしてる合間に、ピアスの後ろに1人、どっから持ってきたのか金属バットを振り上げて近づいてきていた
「あッ・・・!」
「っ!!」
「がぁッ!」
ボクは咄嗟に声が出てしまった
ボクの声に間一髪気づいてピアスが金属バットを避け、男を蹴り飛ばした
それが火蓋を切る合図になり、人数的にも体格的にも不利だと思っていた2人が、あっという間にバカ共を倒していった
「・・・」
ボクは何故か、その光景を見て、楽しそうに喧嘩をするピアスを見て、かっこいいと思った
「・・・」
ボクを助けてくれる人はいない、なんて当たり前だ
ボクは誰にも頼らなかったし、助けてなんて言わなかった
言わなきゃ分かんない事なのに、ボクは、1人で抱え込んで、せっかく助けてくれた人に、なにも知らないくせにと思ってしまった、ふざけんなって言ってしまった
なんでこの2人はこんなに楽しそうに喧嘩してるんだろう
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