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真緒side
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「おい」
ピアスは、バカ共を全員倒した後、ボクの目の前に来た
ボクは、殴られると思いぎゅうっと目を閉じた
けど、痛みはいつまで経っても襲ってはこなかった
不思議に思い恐る恐る目を開けると、罰の悪そうな顔をしたピアスがそっぽを向いてボクの目の前に突っ立ってた
「・・・」
「・・・?」
「ありがとなって言いたいんだよなぁ拓馬くんは」
「え・・・っ?」
「てめぇ・・・」
頭にハテナを浮かべていると、後ろから来た前髪上げ男がそう言った
ピアスは前髪上げ男に蹴りいれるが、軽々避けられてた
「金属バットん時のことな、っにしてもマジで可愛い顔してんね~!!男だけど」
「・・・」
キッと思いっきり前髪上げ男を睨む
なんだいきなり
「お前、鍛えれば」
「は・・・?」
「されてぇならいいけど、されたくねぇって思ってんなら抵抗できるように体鍛えれば」
そう言ってピアスは路地裏から出ようと歩き出す
「オレは、無理して鍛えなくてもいいと思うよ♪」
「・・・」
「それに、もうこんな体験しねぇと思うから」
「え・・・?」
「って、おい!!待て待て!お前帰り方分かんねぇだろ!!」
1人で行くんじゃねぇ迷子になるだろ!!と言いながらピアスを追いかけて路地裏を出て行く前髪上げ男
なんだ・・・?
ボクは、この時はまだ前髪上げ男の言った意味は分からなかった
が、それからボクの前に、あのバカ共は現われなくなった
ボクは普通に学校生活が送れるようになった
それからボクはピアスの事を出来るだけ調べ回った
体も、言われた通り鍛えた
お陰で前よりも筋肉がつき、喧嘩で勝てる程度には強くなった
ピアスの男の名前はすぐに分かった
卯月拓馬
結構有名な不良だった
ボクは卯月拓馬の事を知るたびに、好きという気持ちが芽生え始めた
いや、路地裏の時点でもう一目惚れだったのかもしれない
それから中学はひたすら卯月拓馬の名前を追っかけ、時々喧嘩をした
追っかけて分かったことは、喧嘩負けなしって事と、自分からはあまり売らないって事
ボクみたいなのを助けてくれたから良い不良か、と思ったらあからさまのカツアゲも苛めも自分は関係ないという顔で見て見ぬふりをしていた
かと思ったら、電車では老人に席を譲る
声をかけて譲るのではなく、ホームに一旦出て違う車両へ行くという紳士的な部分があった
知れば知るほど、面白く、恋愛感情が膨らんでいった
高校は、卯月拓馬と同じ高校に受験をした
そこでやっと卯月拓馬に話しかけ、一緒に居れるようになった
当たり前だけど、たくはボクのことは覚えてなかった
昔のボクは前髪も髪も長かったし、黒髪だった
でも、けんちゃんはボクのことを覚えてた
バカ共があの日を境に一度もボクの前に現れなくなった理由を聞いたら、たくがボクに近づくなって散々喧嘩してくれたかららしい
あの時少しだけ撮っていた動画も、しっかり消してくれたらしい
けんちゃんはボクにとって、あんまり一緒に居たくない対象だった
中学時代のボクを知ってるから・・・
だから、すぐにボクはたくのことをそうゆう目で見ていると打ち明けた
でも、けんちゃんは少し驚きながらもボクのことを気持ち悪いとは言わなかった、逆にアドバイスをしてくれた
それから、けんちゃんはボクにとって初めて信用できる友達になった
ボクは、けんちゃんのアドバイスなんか無視して1年、たくに好き好きアピールをした
けんちゃんは単なるボクの愚痴聞き係になった
「たく・・・」
ずっとずっと好きだった
ボクを助けてくれた、ボクに勇気をくれたヒーローみたいな人
でも、ボクのヒーローには好きな人ができてしまった
それも女ではなく、同じ性別の男
後から出てきたヤツなんかにたくは渡さない
たくが好きな気持ちは絶対負けない
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