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海
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沈黙が続く
あれから10分は経っただろう
霊は一向に喋らない
待とうかとも思ったけど
生憎俺はこういう空気が苦手だ
しびれを切らした俺は
「風呂上がったら話聞くし
ちょっと離れろ」
と霊に言ってみるが離れる気配はない
「霊、すぐに戻ってくるから、な?」
「っ、嘘だ!」
霊がいきなり大きな声を出したことに俺は驚いた
「お、おい、どうした」
「なんで!?何でそんなこと言うの!?」
「嘘って、、風呂に入るだけだろ?」
「俺が邪魔だから?
足でまといだから
置いていったんでしょ!?」
ダメだ、話が通じない
「霊、落ち着け」
「嫌なら嫌って言ってくれれば良かったのに、、
あの約束も孝一にとっては
忘れても別に何も支障ないもんなっ」
だめだ、聞きやしない
『「僕のことなんて、どうでも良かったんでしょ」』
「、、、海」
「「へ?」」
なになになに!?
今俺、何て言った?
え?海?誰!?
「孝一、僕のこと思い出したの?」
思い出した?何を?霊を?
「いや、よくわからん
咄嗟にというか無意識に言ってた」
霊はあからさまに肩を落とし
「なんだ、、思い出してくれたのかと思った」と言ってきた
海、、あの時、霊と似た人が
必死に俺にしがみついてるのが
見えた気がした
が、俺はあんな人知らないし見たこともない
「孝一、ごめんね?
いきなり大声とか出しちゃって、、、」
さっきのことだろう、
霊はシュンとしている
「ああ、俺も何かごめんな」
「ううん、孝一、大好きだよ」
「はいはい
じゃ、風呂入ってくるわ」
「うん」
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