アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
死
-
(早く買い物して荷物持って帰ろ)
エレベーターを下りて信号を待って青に切り替わった
(まだ腰痛いなー)
横断歩道を渡りきると
「おーい、ひなたー」
後ろから駿が追いかけてきた
「バカ!家にいてって言ったのに」
「やっぱり俺も行くよー」
そう言って横断歩道を渡ってきた
ふと横を見ると止まる気配のない車が駿に突っ込んでこようとしている
(は?)
「駿!!!!!」
ブレーキ音がしてドンッと音がした
「ヒューヒュー」
息ができない
「おい!なんでだよ!!!!!陽向!」
車が突っ込んでくる直前僕は駿を庇った
車はそのままどこかへ行ってしまった。
「ヒュー…なんでってハハッ体が勝手に、動いたんだ…」
「お前っ!馬鹿にもほどがあんだろぉクソっあの車どこいった!」
駿が泣き出した
(駿が泣くのいつ以来だっけ?確か僕の両親が亡くなって付き合うことになってからだっけ?)
涙を拭ってやりたいけど体が動かない
「ヒューヒュー…しゅ…ん」
「なに?」
「やく…そくまもれなく、て…ごめん」
「ふざけんな!俺はお前を死なせない!救急車呼ぶからまってろ!」
駿が電話を掛けようとした
(右手が動く…)
右手でそれを僕は止めさせた
「なんでだよ!」
「しゅん…自分の体は…1番よく知ってる…もう…僕は、助からない…」
「はぁ!?諦めんな!」
「しゅん…傍に…いて」
「………クソっ」
そう言って僕を抱きかかえてくれた
「あり…がと」
「あんまり喋るな…」
「しゅん…僕…ヒュー…親が亡くなった時…約束したよね…覚え…てる?」
「当たり前だろ?…」
「僕は駿が死んだら…死ぬ……駿より長く生きる」
「あぁ、そう言ったな」
また駿から大粒の涙が出てきた。
右手で涙を拭ってやった
「約束…守れなくて…ごめ…ん」
あぁ、息ができない
時間がない…
「やだ、死ぬなよぉ、ひなたぁ、俺お前がいなかったらどうやって生きていけばいいんだよぉ」
「駿…僕は…駿に抱きかかえられて…死ねるなんてハア…幸せヒュー…だよ」
(あれ?なんで涙が…?)
「やだぁ」
「なか…ない、で」
眠い
これが最後の言葉になる
「駿…ありがとう…僕を救ってくれて…駿は、ま、えを見て…………生きて」
最後にニコッと笑った
「ひなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
(駿ごめんね)
僕は長い長い眠りについた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
44 / 65