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あの日はそのまま走って家に帰って、何事かと心配してきた母さんに事情を話すと怖かったでしょ?と何故か力一杯抱きしめられた。
そして母さんの手作りカレーを食べて元いた家よりデカい風呂に入って、寝る前に帰ってきた父さんにとりあえず抱きついて日付が変わる前に寝た。
その間オオカミの様なあの人が頭から離れなくて、たくさん考えた。
「ん…」
カーテンから漏れる光と隣の家の車の凄まじいエンジン音で目が覚める。
「あの人…かっこよかったなぁ… 」
またあの人を思い出して、もそもそとベッドから出る。
顔を洗って、キッチンに行けば母さんが朝ごはんを作ってくれていて、半分頭が眠った状態でもそもそ食べる。
歯を磨いて部屋に戻り、制服を着て鏡の前で最終チェック。
真っ黒い髪、母さんに似た大きいぱっちりした目、父さんに似たひょろっとした貧弱そうな体。
あの人とは真逆の俺の姿。
「…ふあぁぁっ…ふぅ」
殺しきれずに出たあくびと一緒に出た声は男にしては高い気がする。
あの人は強そうだったし筋肉もあって、目もキリッとしてたし声も低くて…なんか、かっこいいよなぁ…
「あっ!」
そうか!あの人は俺の理想の男だ!
あんなにかっこいい男を俺は父さん以外に見たことがない。
俺の中で一番かっこいい男は父さんなんだけど、あの人は父さんと同じくらいかっこいい。
父さんとはまた違うかっこよさで、きっと歳も近いだろうし、なんて言うか、憧れる。
俺もあの人みたいになりたい…かも。
よし!学校行ったら探してみよう!
「母さん!俺父さんと同じくらいかっこいい人見つけちゃった!今日あの人のこと探して弟子入りしてくる!行ってきます! 」
「頑張ってね〜、いってらっしゃい!」
キッチンで食器を洗っていた母さんに意気揚々と伝え、昨日よりウキウキしながら家を出た。
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「コウくんもそろそろお父さん離れしちゃうのかしら?」
「…彼女連れてこられるよりはマシだよ」
「ふふっ…怖い顔しないの。ほら、早く準備しましょ?入学式に間に合わなくなるわ。」
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