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-キキィッ!
-ガンッ
甲高いブレーキ音と鈍い音。
思っていたよりも痛くはなかったが頭になにか当たったらしくガンガンして意識が朦朧とする。
車の扉が開く音が微かに聞こえるて、運転手さんごめんなさいなんて呑気なことを考えた。
これから救急車が着て病院に運ばれて緊急手術…とかなんのかな…
母さん心配するだろうなぁ…
視界も思考もぼやぼやして意識が落ちかけている俺の身体がすっと持ち上がる。
そしてそのまま車に乗せられた。
「家に運ぶ」
…あれ…?
何だか聞き覚えのある心地の良い低音。
重たい瞼を必死に開くと目に入ったのは
灰色。
「ぇ…ぅ…?」
オオカミ先輩?って聞きたいのに口が動かない。
「寝てろ」
そう言って灰色の人は俺に制服の上着を掛けてくれた。
その時チラッとポケットからはみ出て揺れるオオカミのストラップが見えて
この人はオオカミ先輩だと思った。
また、オオカミ先輩が助けてくれた安心感に堪えていた涙がちょっとずつ溢れてくる。
「あらら、1年くん泣いちゃったねぇ」
なんて、うさぎヘアゴムの人によく似た声が聞こえて
それすらも俺を安心させた。
「ひ、ぅ…ぉ、かみ…せ…ぱぃ」
すうっと遠くなる意識の中でオオカミ先輩に話しかけて、Yシャツを握り締める。
また助けてもらえた喜びと、憧れの先輩が傍にいてしかも膝枕してもらってるなんとも言えない幸福感で満たされていた。
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