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「ゔっ…俺ぇ…ずびまぜんでじだぁ…」
鼻をかみながら謝罪を続ける俺をみてうさぎ先輩は笑っていた。
「ぶっさいくな顔だなぁもぉ〜可愛いねぇ…ぶふっ!あははははっ」
人が泣きながら謝罪してると言うのにこの赤い頭は人の頬を引っ張りブサイクと言って笑う。
「んえぅ…!ひゃえて、ヒック…ふらはい…!はな、へ…!…ほい!はなへっへあぁ!」
「ぷっ、ふふっ、言えてないよぉ」
楽しそうに笑ううさぎ先輩。
やめろと腕を伸ばして攻撃しても頬を手で抑えられると腕のリーチが違いすぎて全く届かない。
く、くそおっ…!
助けを求めるように着替えてるオオカミ先輩に目線を送るとすぐに気づいて俺を見てくれた。
オオカミ先輩っ!助けて…!
俺で遊んで喜ぶうさぎ先輩を一瞥してため息をつく。
やった!オオカミ先輩が味方に
「やめろ、まともに見れる顔じゃない」
「ぶはっ!ちょっと黎斗っ、あははははっ!笑わせないで、あははっ!」
なってなかった。
うさぎ先輩がお腹を抑えて笑い転げ始めたおかげで頬を引っ張る手がなくなる
と、同時に俺の攻撃を阻む違いすぎるリーチもなくなった。
「くそっ!このぉ…!許さねぇ…!」
ゴロゴロ転がるうさぎ先輩に鉄拳を食らわせるべく拳を叩き落としていくが一向に当たらない。
なんでだ!?
もしかして攻撃を読まれてるのか…?
何としても当ててやろうとうさぎ先輩に馬乗りになると、鉄拳をお見舞いする前に俺の身体が宙に浮く。
「手当てするぞ」
いとも簡単に俺を持ち上げたオオカミ先輩はそのまま荷物のように俺を肩に担いで部屋の外へ向かう。
「待ってオオカミ先輩!俺まだうさぎ先輩に反撃してないのに!…おいぃ!おーろーせー!」
肩の上でジタバタ暴れるとそれを見てまたうさぎ先輩が笑う。
「もうっ!降ろせってば!あの顔に1発食らわせてやるんだぁ!」
「座ってろ」
オオカミ先輩は完全無視で俺をふかふかのソファに座らせスタスタ歩いていく。
「わぁ…!ふかふかだ…」
家のソファもふかふかだけどあれは深く沈み込むようなふかふかで
このソファはトランポリンみたく少し跳ねるようなふかふかだ。
それが楽しくてついぴょんぴょん跳ねていると後ろからぷぷっと小馬鹿にした笑い声が聞こえて
じろっと振り返ると扉の隙間から俺を見てわざとらしく口元に手を当てながら笑っているうさぎ先輩がいた。
「このぉ!許さ、んぶっ」
「言うこと聞け」
飛びかかろうと腰を上げるとオオカミ先輩の手で何故か顔面を押さえ付けられた。
「霧也、いじめるな」
「えぇ〜、だって虹太くん面白いんだもん」
遂にうさぎ先輩がオオカミ先輩に怒られてブー垂れる。
いい気分だ。
「ふふんっ」
「痛いぞ」
え?
「いっ…たぁぁぁっ!」
うさぎ先輩にドヤ顔してやったと同時におでこにあったらしい傷に消毒液が染み込んだガーゼを押し付けられて絶叫する。
オオカミ先輩にはうるさいと怒られ
うさぎ先輩にはまた笑われてしまった。
あれ、そう言えばここどこだ。
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