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「うさぎ先輩!ダメだって!」
ずっと思ってたけどたぶんうさぎ先輩はツボがめちゃくちゃ浅い。
こんなに笑って腹筋とか顔筋痛くなんねぇのか?
まだ蹲って笑ってるうさぎ先輩に話しかけると涙を拭いながらやっと起き上がった。
「うーん、総長がダメって言うなら俺にはなんともできないかなぁ…ショックだなぁ」
うさぎ先輩はショックという単語が向こうの部屋にいるオオカミ先輩に聞こえるようにわざと大きな声で言った。
「あぁーあ、俺ショックで仕事しなくなるかも!虹太くんと遊びたいなぁ!せめて倉庫に出入りできるようにしてくれたらなぁ!あぁーあ!あぁぁー!」
駄々をこねる子供のように、ニコニコしながら文句を言っていく。
チラチラとオオカミ先輩を確認しながら虹太くんと遊びたい、倉庫に出入りさせろと騒ぎ立てる。
俺も扉の陰に隠れながら事の成り行きを見ていると煙草を灰皿に押し付けたオオカミ先輩が溜息をつきながらゆっくり立ち上がる。
「霧也」
こっちを見るオオカミ先輩は相変わらず無表情で、長い前髪に隠れた眼光は鋭い。
きゅっと体が強ばってそっとうさぎ先輩を盗み見ると相変わらずヘラヘラしている。
やっぱりこの人副総長なんだ…
初めてうさぎ先輩がすごい人だと実感した。
何も言わずオオカミ先輩がこっちに向かってきたので思わず後ずさる。
「黎斗」
それに気づいたうさぎ先輩がすかさず名前を呼ぶと、若干ビビってる俺に気づいてくれる。
俺の横まで来るとぽんぽんと頭を撫でられて入っていた力がすっと抜けた。
「倉庫の出入りだけだ」
「…へ?」
「仕事はちゃんとやれ」
「はぁい」
ふんっと鼻を鳴らしたオオカミ先輩がまたソファへ戻っていく。
これは…倉庫の出入りはOKってこと?
てかまず倉庫ってなんだ…?
わからない事はたくさんあるがうさぎ先輩が嬉しそうに俺に抱きついてきたからたぶん良い結果になったんだと思う。
「良かったねぇ虹太くん!倉庫出入りしてもいいって、たくさん遊べるねぇ」
何して遊ぶ?バイク乗る?
と楽しそうに頭の上で喋っているうさぎ先輩は新しいおもちゃを貰った子供みたいでちょっと可愛い。
「オオカミ先輩!ありがとうございます!」
「黎斗ありがとぉ」
俺がオオカミ先輩にお礼を言うと頭の上のうさぎ先輩も真似をした。
目だけこちらに向けたオオカミ先輩はガキかと言ってまた煙草を吸い始める。
俺はウルフには入れてもらえなかったけど憧れのオオカミ先輩がいるウルフの倉庫には出入りできるようになったらしい。
そこで俺はできる奴ってことをアピールしてウルフに入れてもらおう!
そんでもって弟子になるんだ!
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