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「ただいまぁ〜」
あの後うさぎ先輩とお菓子を食べてから家まで送ってもらった。
1人で帰ると言ったけど怪我させたからって無理くり車に乗せられた。
凄かった…まさかあんな高級車に乗れるなんて…
俺を轢いたらしい黒い車はあまり詳しくない俺でもわかる高級車で、俺ぶつかって傷でもついたんじゃないかって逆に申し訳なくなったのは内緒だ。
引っ越したばかりだからか、前の家にいた時は仕事で俺より遅く帰ってきていた母さんが今日は俺より先に帰ってきていた。
「コウくんおかえ…何その怪我!ちょっと大変よ!お父さん!」
出迎えるより早く母さんが駆け寄ってきて巻かれた包帯やガーゼをペタペタ触る。
「母さん落ち着いて、大丈夫だってば…オオカミ先輩達が手当てしてくれたし…」
「オオカミ先輩?」
2階から降りてきた父さんが怪訝な顔で聞き返してくる。
「あれ?父さん帰ってきてたんだ。あの、前助けてくれた先輩、丁度会ってさ、先輩の家で手当てしてもらった。」
「あら、良かったじゃないの。優しい先輩がいるみたいで安心ね。」
大した怪我じゃないとわかって安心しいのか、母さんはぎゅっと俺を抱きしめてキッチンへ戻っていく。
「オオカミ先輩?だっけ、名前は?」
母さんに変わって父さんが俺の腕や顔を確認する。
全くうちの親は心配性だな…
「大神黎斗さん」
その名前を聞いて父さんの動きが止まるが、ふっと笑うと頭を撫でられた。
「そうか…黎斗くん、か。今度家にでも連れておいで。お礼がしたい。」
なんだか妙に楽しそうな父さんはスマホを出してどこかに電話をかけ始めた。
まぁオオカミ先輩がいい人って紹介もできたし家に呼んでいいって言われたし!
もう少し仲良くなったらうさぎ先輩も一緒に家に呼んでみよ!
その時1階で父さんと母さんが大神さんの…
と話していたけど、うきうきな俺には聞こえていなかった。
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